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          聖  衣  (1953年)  The Robe   
                           
〜イエスならあなたを救えるわ〜
監督: ヘンリー・コスター 
撮影: レオン・シャムロイ
音楽: アルフレッド・ニューマン
出演: リチャード・バートン(護民官マーセラス) ジーン・シモンズ(ダイアナ姫) ヴィクター・マチュア(奴隷ディミトリアス) マイケル・レニー(ペテロ) ジェイ・ロビンソン(ローマ皇帝カリギュラ) ディーン・ジャガー  トリン・サッチャー  リチャード・ブーン(総督ピラト) ベッタ・セント・ジョン(ミリアム) ジェフ・モロー(パウロ) アーネスト・シージガー(ローマ皇帝ティベリウス) マイケル・アンサラ(ユダ)
1953年 アカデミー賞2部門受賞(美術監督・装置賞、衣装デザイン賞) ノミネート(作品賞、主演男優賞 リチャード・バートン、撮影賞(カラー))
1953年ゴールデン・グローブ賞 作品賞受賞

<*シネマスコープ方式で撮影された記念すべき第1号作品です>

 ティベリウス皇帝が治めていた頃のローマ帝国。護民官を任命されていた貴族の息子マーセラス・ガリオは、次期皇帝になる予定のカリギュラと奴隷の競り市で争い、ディミトリアスを競り落としたことからカリギュラの恨みを買い、エルサレムへ左遷されてしまいます。当時のエルサレムは、ローマの圧制に苦しむユダヤの人々が、混乱した世相の中で救世主を待ち望み、それに対してローマ軍の護民官はユダヤ人の叛乱・暴動を恐れながら剣の力で人民を支配していました。

 マーセラスに買い取られたディミトリアスも同行して、彼らはエルサレムへ向かいます。
ちょうど彼が赴任した日は、ユダヤの過ぎ越しの祭りの日で、彼らが到着した時、多数の人々が、一人の人物を歓呼してエルサレムに迎え入れているのと遭遇します。その人物こそ、イエス・キリストでした。イエスは、ユダヤの人々に神の愛を教え、人々が互いに愛し合うことの大切さを説き、その説教に人々は『この人こそ救世主』と歓迎していました。そして、マーセラスの最初の仕事は、そんなイエス・キリストを人々を煽動しているとの理由で捕まえ、十字架に処刑することでした。彼は、自らすすんでその仕事をやり遂げようとします。

 しかし、イエスと出会った瞬間から不思議な感覚にとらえられて、その教えを聞いて本当の救世主と信じたディミトリアスは、ローマ軍がイエスを逮捕しようとする動きを察知して、イエスを守ろうとします。ところが、そんな彼の働きも、時すでに遅くイエスはユダの裏切りによって逮捕されてしまいます。

 マーセラスは、ピラト総督の命令を受けてイエスを十字架に処刑しますが、十字架に架けられたイエスは、
「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」
(新約聖書・ルカの福音書23:34)
と祈り、そのイエスの姿を見上げ、なぜか良心のとがめを感じます。そして、ローマ兵たちと賭けをしてイエスが身にまとっていた緋色の聖衣を手に入れ、それを身にまとおうとした彼は突然苦しみ、うちのめされたように倒れてしまいます。そばにいたディミトリアスがその聖衣を拾い、イエスへの信仰を誓います。

 その時以来、マーセラスは、心の平静を失っていきます。
彼は、ピラト総督の報告書をティベリウス皇帝に手渡すためにローマに戻り、幼馴染のダイアナ姫と再会します。しかし一方で、カリギュラがダイアナ姫を自分の妻にしたいと望んでいます。ティベリウス皇帝は、マーセラスに、報告のあったイエスについての調査を命じます。

 イエスが住んでいたガリラヤ地方に出向いたマーセラスは、そこでイエスと生活を共にしていた弟子ペテロらの話を聞き、キリスト教徒たちと接するうちに、次第にイエスの教えに心が動かされていきます。

 足の不自由なミリアムが、自分は、足は不自由なままだけれど心が自由にされた。イエスは私の足を癒すこともできるのに、それをしないのは私と同じような境遇の人に、私の喜びを伝えるためなのよ、と話し、心の内に苦悩を抱いたマーセラスに、「イエスならあなたを救えるわ」と語りかけます。
「彼は死んだ」と反発するマーセラスとミリアムが静かに語りかけます。
「いえ、始まりよ。今は天にいるけれど、教えを残していったわ。」
「呪術師を信じるのか?」
「呪術師じゃないわ。彼は二つのことを求めただけ。『神を愛せ』『隣人を愛せ』ユダヤ人ばかりでなくローマ人も、奴隷、兵士、人間全部に呼びかけたの。愛に基づく新しい神の国を建設するようにと。」

 そして、ディミトリアスとも再会して、マーセラスは、彼が持っていた聖衣を処分すれば自分の苦しみがなくなると思い、聖衣を焼却しようとするのですが、かえって、心はイエスに捕らえられてしまいます。そして、すっかりイエスの教えに心服したマーセラスは、ペテロの前で「今から私はイエスの信徒となる。私は、主に命と剣と財産を捧げる。」と信仰を表明し、キリスト教徒たちと行動を共にすることになります。

 その頃には、すでにティベリウス皇帝が亡くなり、カリギュラが即位していて、新皇帝によるキリスト教の弾圧がはじまります。ディミトリアスが捕えられて拷問にかけられたことを聞いたマーセラスはディミトリアスを救い出すために、自らは捕らえられてしまいます。反逆罪に問われて、彼は、皇帝カリギュラの前で裁判にかけられますが、最後までイエスに対する信仰を貫いて、ダイアナ姫と共に殉教の死を選び、二人は安らかな心で天の国へと召されて行きます。

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