GIBSON J-45



メイン・ギター。

写真にも写っているが、ストラップが付けっぱなしだ。

ライヴもレコーディングでもまずこのギターを弾いてみる。

マーチンのような重低音は望むべくもないが、

細くて硬くて、いつまでも処女のような音をだすこのギターが、

僕は大好きだ。

一般的なドレッド・ノートより、

サウンド・ホール上部の空間が狭く、

やや撫で肩気味のスタイルもとても気に入っている。

ボディ表面がナチュラル仕上げで、

J-45にしては珍しいねという人もいるが、どうなんだろう。

1991年製、

ビンテージものとはピックガードの形が違う。





マーチンのアコギを探して楽器屋をまわっていた。

このギターを手にして少し弾いてみた時、

新品でもギブソンの音がするんだな、と思った。

で、その後はギブソンばかりを弾いた。

ドブやハミング・バードの迫力も捨てがたかったけれど、

J-45は特別美しい音がした。

ルックスもピカイチだった。

弾き比べたビンテージ・ギターは、

アコギにもかかわらずアンプを通したような、

シビれる音がしたが、

誰か他の人が作りあげた音のような気がして、

新品だったこのギターを選んだ。

何十年かして、僕だけの音で鳴る

J-45を想像するのはとても楽しいことだった。

スタッフやライブの共演者、お客さんから

このギターの音色を誉められるたび僕は、

腕がいいからね、と答えるが、

自分の娘を誉められた父親のような、

誇らしくてちょっと気恥ずかしい気持ちになる。