エンジンオイルのあれこれ
エンジンオイル製造時に使用される添加剤
添加剤の種類 |
添加剤の役目 |
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酸化防止剤 |
ベースオイルが、空気に触れることによって酸化することを防止する |
清浄分散剤 |
不完全燃焼生成物(NOx、SOx)が水と化合して、硝酸・硫酸になるのを防ぐ |
耐荷重添加剤 |
低温・低荷重の時に金属表面に吸着膜を作る「油性向上剤」と、高温・高加重の時に金属表面に油膜を作る「極圧剤」の事を言い、油膜切れを防ぐ |
摩擦調整剤 |
2硫化モリブデン等の添加剤で、フリクションロスを低減させる役目を果たす |
粘度指数向上剤 |
高分子量の油溶性ポリマーの事で、温度変化により粘度指数の変化特性を改善する |
流動点降下剤 |
パラフィン系オイルでは、ある温度以下になるとワックスが出てくる為に流動しなくなってくる。 また、ナフテン系オイルでは低温になるとオイル粘度そのものが高くなって流動しなくなってくる。 この、流動しなくなる温度(流動点)を下げ、低温時の粘度特性を改善する |
消泡剤 |
オイルがかき回される事によって発生する泡を抑止したり、オイルの劣化・酸化・分解・酸性生成物の混入などによって発生した泡を消す |
さび止め剤 |
金属表面に水や酸素・腐食性物質が付着するのを防ぎ、エンジン各部の錆を防ぐ |
エンジンオイルの使用限界
性状判定項目 |
交換基準値 |
主な劣化原因等 |
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粘度変化 |
±20〜25% |
粘度指数向上剤のせん断や燃料混入による粘度低下や、熱劣化により粘度向上 |
全酸価増加量 |
+1.5〜2.0mgKOH/g |
高温による酸化や燃焼生成物の混入による酸化 |
残留全塩其価 |
0.5〜1.0mgKOH/g |
低温での使用を繰り返す事によってのガソリン希釈や、水分の混入による加水分解や、清浄剤の結晶化 |
ペンタン不溶解分 |
0.3〜0.4mass% |
油温が上がりきらないことによる未燃焼燃料のニトロ化(特に水分の多い低温水温条件下)での不溶解分増加 |
鉄分含有量 |
100〜120ppm |
磨耗粉の混入 |
燃料希釈率 |
5〜7% |
ピストンリングから吹き抜けてくるブローバイガスからのガソリン希釈。低温での使用が多い場合、ガソリンが蒸発しないため特に増加傾向 |
*結論*
エンジンオイルの寿命を左右するのは、「乗り方」と「エンジン」が大きくかかわってきます。
極端に高温を維持してもダメだし、近距離・低温走行が多くてもダメ。
ブローバイガスが多くてもダメ。(大気開放は、ガス中のガソリン分がオイル内に残留する為、特にダメ!)
燃料セッティングが濃すぎてもダメ。
体感できる粘度変化も、粘度が向上するケースと低下するケースがあるのであてになりません。
程良く温度を上げてやる事と、気密性の高い状態を保ったエンジン、そして
基本性能のしっかりしたオイルが最適です。
なお、普段は短距離走行がメインで、時々高速で飛ばすって言うのも
オイルの劣化を早めています。
短距離走行でガソリン希釈を進めて、高速走行で熱劣化を加速させる。
そう考えると、自動車メーカーやオイルメーカーの言う交換距離・交換時期は
万人に合わせた最適な交換サイクルと言えるのではないでしょうか。