恋と愛のニュアンス



恋と愛の対立!?

 ぼくが恋について途惑うことに、『ぼくの理想としている「恋」と「愛」とで、 対立する部分がある』というのがある。

 ぼくにとって理想的な「恋」は、1人に対して集中的に向けられるというものである。
 一方、「愛」は、「人類愛」という言葉が示すように、平等な思いやりであると思う。
 つまり、「愛は平等」であるのに対し「恋は区別」という側面をもっている。

 また、恋している時には、ぼくは相手に心の完全性を求めてしまう。 その結果、嫉妬などの苦悩が起きるのかもしれない。
 一方、愛は、「無償の愛」という言葉が示すように、欲がない。
欲がないなら、恋のような苦悩は、起きないはずである。
 つまり、「愛は無欲」なのに対し「恋は求め苦悩する」という側面をもっている。


 しかし、よく考えてみると、愛と恋愛とを同じレベルで比較して考えるのは誤っているのかも知れない。 途惑いの原因は、ここにあるようだ。
「恋」と「愛」とは、ある点で別物であり、そして共通する部分をも持っているようである。


恋とは?愛とは?

 「愛」には、「人類愛」「友情」「親子愛」「夫婦愛」などがある。
「愛」とは、「大切にしたい気持ち」「思いやり」「相手の幸せを願う気持ち」のことではないだろうかと思う。

 人は恋をすると、「いっしょにいたい」「話をしたい」といった気持ちや、 「相手を大切にしたい」といった思いやりの気持ちが起こる。
 さらにまた、嫉妬などのマイナスの感情も起こる。
 よく恋愛に「愛と憎しみ」という言葉が登場するが、 これは「思いやり」と「嫉妬」といった恋のプラスの面とマイナスの面を意味しているのかも知れない。

 恋をすると、「思いやり」という「愛」の感情が起こる。
 その一方、要求の感情でもあるため、 「会えない」とか「裏切られた」などのような、要求が満たされない状態では、 苦悩や嫉妬などの感情も起こる。

 だから「恋」とは、「愛」を生じるものであり、 また、「求める気持ち」からくる苦悩や憎しみをも生じるものであるといえるだろう。

 では、なぜ人にそのような感情が生じるのであろうか? これについては別のページで考えてみることにしよう...


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