円の面積の公式を導く
半径がrの円の円周の長さは、「円周率:π」を使って表すと、
(円周) = (円の直径)×(円周率) = 2πr
と表せる。
この式から、円の面積の公式「πr2」を導き出してみよう。
半径rの円を、いくつかの環に分割してみる。
円を、同じ幅のn個の輪に分割してみる。すると、輪の幅は、r/n。
輪の1つに注目してみる。円の内側から数えてi番目の輪は、
輪の中心から外側までの長さが、(r/n)×i
輪の中心から内側までの長さが、(r/n)×(i−1)
輪の外側の長さは、2π×(r/n)×i
輪の内側の長さは、2π×(r/n)×(i−1)
輪の面積を、四角形の面積と比べて考えてみると、
(輪の内側の長さ)×(幅) < (輪の面積) < (輪の外側の長さ)×(幅)
2π×(r/n)×(i-1) × (r/n) < (輪の面積) < 2π×(r/n)×i × (r/n)
2π(r/n)2×(i-1) < (輪の面積) < 2π(r/n)2×i
円の面積を考えてみると、分割した輪の合計だから、
(円の面積)=(1番目の輪の面積)+(2番目の輪の面積)+・・・+(n番目の輪の面積)
2π(r/n)2×0 + 2π(r/n)2×1 +・・・+2π(r/n)2×(n-1)
< (円の面積) <
2π(r/n)2×1 + 2π(r/n)2×2 +・・・+2π(r/n)2×n
2π(r/n)2×{0+1+・・・+(n-1)}
<(円の面積)<
2π(r/n)2×(1+2+・・・+n)
2π(r/n)2×[{0+1+・・・+(n-1)}+{(n-1)+・・・+1+0}]/2
<(円の面積)<
2π(r/n)2×{(1+2+・・・+n)+(n+・・・+2+1)}/2
2π(r/n)2×{(n-1)+(n-1)+・・・+(n-1)}/2
<(円の面積)<
2π(r/n)2×{(n+1)+(n+1)+・・・+(n+1)}/2
2π(r/n)2×(n-1)n/2 <(円の面積)< 2π(r/n)2×(n+1)n/2
πr2(n-1)/n <(円の面積)< πr2(n+1)/n
πr2(1-1/n) <(円の面積)< πr2(1+1/n)
分割数をどんどん増やしていくと、円の面積に近づいていく。
分割数nを無限に大きくしていくと、
(1-1/n) → 1
(1+1/n) → 1
に近づいていくから、それぞれ、
πr2(1-1/n) → πr2
πr2(1+1/n) → πr2
に近づいていく。
よって、円の面積は、πr2
上記の方法では、円を環に分割して、分割数を多くすることで円に近づけていったが、
円を近い三角に分割して分割数を多くすることによっても導き出せると思う。