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韓流ドラマといえば、”冬ソナ”こと、「겨울연가」(冬の恋歌)(日本名:冬のソナタ)を知らない人はいない、といっても過言でないほど、一大ブームを巻き起こした”韓流”の生みの親とでもいうべきドラマである。
どれほど多くの日本人が、二人のスター최지우(チェ・ジウ)と배용준(ペ・ヨンジュン)に夢中になったことだろう。 そして、中年の主婦たちからは、”ヨン様”とまで呼ばれた배용준(ペ・ヨンジュン)や、密かに若者たちの心を焦がした최지우(チェ・ジウ)の二人は、当分、韓流ファンの心に残っていることであろう。 韓国ドラマには、大きくわけて、二つのジャンルがある。 一つは、「겨울연가」(冬の恋歌)(日本名:冬のソナタ)に代表される純愛ものであり、もう一つは、直後に放映された대장금(大長今)(日本名:宮廷女官チャングムの誓い)に代表される王朝時代の物語である。 それぞれのジャンルで、いくつかの作品が誕生して放映されたが、いずれも多様性に欠ける欠点がある。 つまり、どれも、みな同じ作品のように見えるのである。 当初は、新鮮味を感じて、熱中して嵌って、しばらくの間は、熱ざましのように、視聴者がしがみついていたが、やがて、飽きられてしまった。 これが、韓国テレビドラマの最大の欠陥である。 王朝を描いたドラマは、いずれも、歴史的予備知識がないと、正確な理解が困難である。 ドラマの内容が、史実に沿って正しいかどうかの議論はあるにしても、かなりの知識をもって見る必要がある。 日本で一般の視聴者は、韓国の王朝時代に対して、それほど詳しい知識があるわけではない。したがって、NHKは、放送に当って、何がしかの配慮が必要であろうし、また、このドラマを提供する韓国側も、王朝時代を日本国民に知らしめる何らかの配慮があって然るべきである。 そういう意味では、これらのドラマに描かれた韓国王朝時代が真に日本で受け入れられる可能性はほとんどない、といってもよいであろう。 単に娯楽番組として、とらえるには、あまりにも、無駄な投資である。 一方の恋愛もののドラマについて言えば、今の中年過ぎの主婦たちにとって、夢のような甘い恋の世界に連れていってくれる主人公の俳優にのめりこむことができる、という点が受けた、というべきであろう。 つまり彼らがかって経験することのなかった恋愛の世界を見て、自らをその世界に置き、主人公の俳優と陶酔の境地に入ることができる錯覚に浸っていたのである。 韓国の恋愛にもいろいろなパターンがあるのだから、少し違った視点からの韓国らしい恋愛ドラマを生み出すような監督は出現しないのであろうか。 いつまでも、冬ソナにしがみついていても、仕方ないであろうに・・・ 末筆ながら、「겨울연가」(冬の恋歌)で共演者として好演し、自ら短い命を絶った박용하(パク・ヨンハ)氏に心からの哀悼の意を表したい。 ![]() (2012/12/19)
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