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韓国のクラシック界はさびしい。オーケストラの未熟さもその理由の一つである。
国際的に高い評価を受けるオーケストラが育っていないからである。 メンバーの一人一人が、ソリストとして評価される人材が少ないのであろう。音楽の道に進み、すぐれた教師によって、育成され、世界にはばたいて出ていくような土壌ができていないものと思われる。 多くの人材を輩出する仕組みも必要だし、国民がそれを待望し支援していかなければ困難である。 音楽教育によって生まれた人材は少ないかも知れないが、世界で活躍する人材も数えることができる。 先天的に才能に恵まれた人材なのであろう。 ここでは、その中で、特筆すべき二人の音楽家をご紹介しよう。
まず、指揮者の정명훈(鄭明勳)(チョン・ミョンフン)をあげたい。
1953年ソウル生まれで、現在はアメリカ国籍。幼い時からピアノを学び才能を開花させ、1974年チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で第2位に入賞して、一躍脚光をあびるようになる。 アメリカで音楽を学び、ピアニストとして活躍をはじめるが、やがて、ジュリアード音楽院に進学し、本格的に指揮を学ぶ。 著名な指揮者に学び、すぐれたオーケストラに接し、やがて、指揮者として頭角を現してきた。 現在では、韓国を代表する世界的な指揮者である。 筆者も、東京で、정명훈(鄭明勳)の交響組曲「Scheherazade(シエラザード)」や「Symphonie fantastique(幻想交響曲)」などを聴いた。 今でも印象に残っている名演であった。 最近は、アジアのオーケストラ育成活動にも注力しているようだが、もっと頻繁に、一流オーケストラを率いて、ますます円熟味の増した音楽を聴かせてくれることを期待したいものである。
もう一人、忘れてはならない演奏家がいる。
韓国系アメリカ人のバイオリニスト、Sarah Chang(사라장:サラ・チャン)(장영주:張永宙)である。 1980年アメリカのフィラデルフィア生まれ、現在でもアメリカ在住。 父、장민수(チャン・ミンス)は、バイオリニストであり、大学の音楽教授でもある。 サラは幼いとき、両親にバイオリンを買ってもらい、練習をはじめた。6歳にして、ジュリアード音楽院の入学試験に合格して、Dorothy Delayに師事する。 彼女Dorothy Delayの門下生には、世界的に優秀なバイオリニストが多い。 すぐれた教師である父の장민수(チャン・ミンス)と、偉大な師Dorothy Delayの元で、サラは、めきめきと頭角を現し、幼くして、最も完成され、最も理想的なバイオリニストに育っていった。 まだ、若いサラであるから、これから、どのような音楽を聴かせてくれるか、非常に楽しみな人材であり期待している。
韓国には、ほかにも、指揮者や作曲家、演奏家は多い。
しかし、世界中にどれほど多くの音楽家がいて、どれほど多くの名演奏家がいることか・・・ その中で、世界で認められる音楽家として活動していくには、並の努力や才能では難しい。 世界が受け入れてくれる音楽を作り出す才能を備えた一握りの音楽家だけが、生き延びていく世界なのだろうと思う。 韓国でも、生まれては消えて行く音楽家が多い。 もっと、持続的に世界に羽ばたいていく人材が育ってくれることを期待したいものである。 (2012/12/19)
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