조국의 독립에 바친 목숨(祖国独立に命を捧げて・・・)
天安で独立運動に命を捧げた人々の跡を訪ねて・・・・

   ソウル市内から地下鉄1号線を충청남도(忠清南道)に入ると、천안역(天安駅)がある。 충남(忠清南道)の交通の要所で、ここを起点にして、あちこちに鉄道やバスが運行されている。
この천안(天安)には、この地で生まれ育ち、韓国の独立に一生を捧げた二人の人物がいる。 一人は、유관순(柳寛順)という女性活動家であり、他の一人は、조병옥(趙炳玉)という博士である。
その二人に縁の地を訪れた。
천안역(天安駅)から、東に20kmあまりのところに、유관순(柳寛順)の記念館と生家とがあり、更にその近くに、조병옥(趙炳玉)博士の生家がある。駅から、歩くことは不可能で、バスに乗るなら、병천(並川)行の市内バスに乗り、병천(並川)で下車。後は、歩くことになるが、結構面倒だ。いっそ、駅前から、タクシーに乗って、これらを、ぐるりと回ってから、독립기념관(独立記念館)でタクシーを捨てると効率的だ。

「韓国の”Jeanne d’Arc”(ジャンヌダルク)」−そう呼ばれて、韓国でその名を知らない人がいない유관순(柳寛順)(韓国読み・・ユ・グァンスン)は、1902年11月、日本統治時代の朝鮮に生まれ、1920年10月、わずか17年の短い生涯を閉じた女性活動家である。(写真 左)

生まれは、천안(天安)の병천면용두리(並川面竜頭里)にある貧しい家庭であったが、米国人宣教師の援助でソウルの梨花学堂(現:梨花女子大)に入学し、すぐれた才能を発揮した。
在学中の1919年、独立運動が勃発すると、彼女もこれに加わり、帰郷して、「아우내만세운동(アウネ万歳運動)」を起こす。
これによって監獄に収監され、日本の拷問を受けながら、1920年に獄中で病死してしまう。
彼女の精神を後世に伝えるため、この生まれた地に、さまざまな追悼施設がある。彼女の活動は、유관순열사기념관(柳寛順烈士記念館)に詳しく展示されているので、一見の価値がある。

記念館から、1.3kmほど離れたところに、烈士の生家が保存されている。(写真 左)
ここは、まったくの田舎で、何もないところである。タクシーに待っていてもらって、生家の境内に入り、じっくりと見学する。
ここでは当時の居間・キッチンそれに、オンドルなどを見ることができる。

次は、조병옥(趙炳玉)博士の生家に向かう。

유관순(柳寛順)の生家からタクシーで近いところにある。(写真 左)
조병옥(趙炳玉)博士は、1894年5月、천안(天安)の병천면용두리(並川面竜頭里)に生まれ、韓国の独立運動家、教育者、政治家として活躍し、 1960年2月米国で急逝した。
1919年には、유관순(柳寛順)を指揮して、3・1만세운동(3・1万歳運動)を展開し、獄中生活を強いられたこともあった。
アメリカ留学中から、各種団体に参加して独立運動を展開し、帰国後は教鞭をとった時期もあったが、徹底して反共産・反信託統治をかかげ、独立のために命を捧げた。
その活動は、1945年の解放後も続き、1948年の建国に、大きな功績を残した。

博士の生家は、1995年に復元されたもので、約500坪という広大な敷地の中にある。

再びタクシーに乗って、병천면용두리(並川面竜頭里)を離れ、천안(天安)に戻る。その途中、목천읍 남화리(木川邑・南化里)という場所に、독립기념관(独立記念館)がある。(写真 右)
120万坪という広大な広さで、1987年に建てられたものである。
外国からの侵略を克服して、民族の自主独立を守ってきた韓民族の歴史と、国家発展の歴史に関する展示と研究とを行っている施設である。

入場は無料で、入口から中に入ると(写真 左)、全部で7つの、それぞれ独立した展示館がある。
それらは、
제1전시관:겨레의뿌리(第1館:民族伝統館)、
제2전시관:겨레의시련(第2館:同胞の試練)、
제3전시관:나라지키기(第3館:国を守る)、
제4전시관:겨레의함성(第4館:同胞の叫び)、
제5전시관:나라되찾기(第5館:国を取り戻す)、
제6전시관:새나라세우기(第6館:新しい国づくり)、
제7전시관:함께하는동립운동(第7館:大韓民国臨時政府館)
の7つであり、10,000点に及ぶ資料が展示されている。

日本人にとっては、見るに耐えられないような展示もいくつかある。日本ではほとんどこのような過去の歴史を教えられることもなくきたことに、いささか羞恥の念を禁じえない。
しかし、ぜひ一度、この記念館を訪れ、目を大きく見開いて、じっくりと参観することを、お薦めしたい。 4〜5時間あれば、一通り、見ることができる。
ここに紹介した独立運動家たちの足跡を辿り、この記念館を参観して、ちょうど1日のコースである。


2009年9月2日

  
 
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