인천(仁川)
韓国の表玄関口仁川、しかし、そこには古い歴史が眠る・・・・

   ソウルからの1号線が終着駅の인천(仁川)に到着するころになって、天気は冷たい雨模様に変わった。都心から、わずか1時間あまりの距離である。
韓国の西端の海の町인천(仁川)は、言うまでもなく、仁川国際空港の開設と共に、一躍脚光をあびることとなった街である。
仁川駅を下りると、すぐ目の前に、チャイナタウンの入口が見える。
19世紀の末、仁川港が開港して、中国との貿易が盛んになったころ、中国人たちが居住して出来た街である。しかし、朝鮮戦争で、すっかり荒廃してしまい、栄華の痕跡をとどめるものはなかったが、最近になって、「チャイナタウン」復活の機運が高まってきた、と言う。
ここを訪れる目的は、もちろん、あの자장면(チャージャー麺)を食べるためである。
자장면は、韓国式中国料理として人気のある料理であり、ここ인천が発祥の地である。つまり、元祖자장면を味わいたい、ということなのである。
韓国人向けに、最初に자장면を作った店と言われるレストラン공화춘(共和春)をさがし、はじめて、美味しい麺にめぐり合うことができた思いである。

食べ終わって外にでると、一面、霧の世界である。인천は、「霧の街」と呼ばれているくらい、霧が多く発生する。
冷たい雨まじりの霧の中を、자유공원への階段を上っていく。チャイナタウンからは、一本道である。この公園は、韓国初めての西洋式公園とのことであり、仁川市民の憩いの場だというが、生憎、雨と霧で、ほとんど、見ることができなかった。
晴れていれば、仁川市や港が一望できるというのに、残念である。また、園内には、さまざまな施設がある。 写真は、韓米修好100周年記念塔である。(写真 右上)
公園は、手入れが行き届き、美しく整備されている。処々に、春の花が咲き乱れ、雨に濡れていた。
更に公園を突き進んでいくと、大きなマッカーサーの銅像が建っている。
この銅像を通り過ぎると、雨がますます激しくなり、一層の寒さも加わり、もはや、散策に耐えられる状態ではなくなった。これが、5月中旬の気候かと思うほど、冷たく寒い。
霧で何も見えない展望高台から、ぐるりと回って、ふたたび、チャイナタウンに戻るコースを歩いて行った。

せっかく인천まで来たのに、という思いが強くて、タクシーで월미도(月尾島)に向かった。名前は、「島」と付けられているが、今は、埋め立てられて、陸続きになっている。 월미도のお洒落な海岸通りは、やはり、到底、歩くことができない状態であった。(写真 左)
海岸であるため、激しい風が吹き、傘をさしていることすら、困難なほどであり、冷たい雨が容赦なく、体を叩きつけてくる。
右側は、海のはずだが、濃い霧のため、何も見えない。
ロマッチックな夕日の鑑賞はおろか、左手に立ち並ぶレストランでの美味しい刺身も、結局食べることはできなかった。

誠に残念であるが、もう、これ以上は、無理である。
再びタクシーに乗って、인천역に戻ることとした。この地には、日を改めて、再度訪れたいと思っている。

  
 
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