전주향교(全州郷校)
儒学者51人の位牌を奉安する高麗時代の史蹟・・・・

   ソウルから高速バスに乗って、約2時間半で、古都전주(全州)のターミナルに到着する。
バスターミナルから、タクシーを利用するか、市内バスに乗り換えて、전주한옥마을(全州韓屋村)まで行く。
전주한옥마을(全州韓屋村)は、結構広いから、 전동성당(殿洞聖堂)のバス停付近で下車するとよい。高速ターミナルからは、20分程度の距離である。

ゆっくりと古都を散策しながら、은행로(銀杏路)を南に行き、향교길(郷校路)にきたら、そこをまっすぐに東に歩くと、やがて、左手に、전주향교(全州郷校)がある(写真 左)。
この전주향교(全州郷校)は、地方양반(両班)子弟たちの教育のために 1441年に作られた、いわば、地方大学である。
当初は、경기전(慶基殿)のそばに作られたのであるが、1603年장만(張晩)によって、現在の場所に移転された。
移された理由は、いろいろ とりざたされているが、面白いのは、この学校の生徒たちが本を読む声がうるさくて、경기전(慶基殿)の神聖な祭事に差し障るという理由から移したというものだが、これは、眉唾物である。
전주향교(全州郷校)前の案内板には、通学に不便だったから移した、と説明してある。

現在は、面積10,000uあまりの中に、16棟の建物があり、공자(孔子)をはじめ、7人の中国の儒学者や、韓国の多くの儒学者たち、合わせて51人の儒学者たちの位牌が祀られている。
史蹟第379号に指定されている。

まず、入口の門をくぐって、まっすぐ行くと、その先の正面に、대성전(大成殿)が見える(写真 右)。
この대성전(大成殿)には、공자(孔子)と、その弟子たちの位牌が、祀られている。
전라북도유형문화재(全羅北道有形文化財)第7号に指定されている。


その裏手にあるのは、계성사(啓聖祀)で、공자(孔子)の父の位牌が、祀られている。







대성전(大成殿)を真ん中にして、東西に、동무(東廡)(写真 右右)と、서무(西廡)(写真 右左)とがある。
ここは、中国と、韓国の儒学者たちの位牌が、祭られている場所である。


左手奥にあるのは、명륜당(明倫堂)である(写真 左)。 ここでは、儒学生たちに、儒学をおしえたところである。

そのすぐ近くには、동재(東斎)、서재(西斎)(写真 右)があって、ここで、儒学を学ぶ学生たちの寄宿舎として使われていた。


広い境内には、このほかにも、いくつかの建物があるが、歴史的に、正確でくわしいことは、わからない部分が多い。
様々な説があるが、上の説明は、전주향교(全州郷校)の案内板の説明にしだかって、まとめたものである。
庭には、古い銀杏の木がたくさんあるのが、目につき、印象的である(写真 左)。
この木は、포호수(保護樹)と呼ばれて、保護されている。


ゆっくり散策するつもりで、見て歩くと、古の儒学者たちの学ぶ姿が、目に浮かぶようである。
今は、しずかな庭園という感じがする。



(2010年4月)

  
 
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