강화도(江華島)
幾多の戦禍を潜り抜けて、今に悲しい傷跡を残す歴史の島・・・・

   경기도の西の端に位置する江華島・・・韓国5番目の大きな島であり、今は、島というより강화대교により、陸続きになっている。
ソウルからは、タクシーで行くか、신촌からバスを利用する以外にアクセスの方法がないのだが、江華島に入ってからの見学の足も考えておかなければならない。見学用の循環バスもあるようだが、行きたい場所やスケジュールが合わないと、うまく利用できないので、結局タクシーを使うのが便利である。
見所のポイントは、大きく2ヶ所。橋を渡って、しばらく直進すると、この島の中心部に着く。このエリアが一つのポイント。もう一つは、島をひたすら南下して、南端に近いエリアである。
とにかく、大きな島に、見るべき場所が点在しているため、タクシーを利用しても、たっぷりと一日を要する場所である。あらかじめ、見学箇所をしっかりと計画して行動しないと、一日が虚しく過ぎてしまうので、注意が必要である。

   江華大橋をわたったら、まず、一気に島の南端に下った。車で30分くらで、島で最も高い山、마니산(摩尼山)入口に到着する。
写真は、その마니산への入口。霊山であるので、登山をする人も多い、と聞くが、入山料金を払って、往復で3時間くらいは、覚悟しなければならないから、登山は、時間的余裕がある場合に限る。

その마니산から、東に少し行くと、有名な전등사(伝燈寺)がある。
筆者が行ったのは、ちょうど、석가탄신일(釈迦誕生日)、すなわち、韓国の祝日である초파일(旧暦 4月8日)に近い日であったので、寺は提灯で飾られ、にぎやかであった。(写真 下)
この寺は、高句麗時代の建立と言われ、仏教伝来と時を一にする。
建物の彫刻は誠にすばらしく、一見の価値がある。
他に、この寺には、鐘楼があり、中国宋の時代のものとされる梵鐘である。高さが、1.6mくらい、口径は、1mくらいの鐘である。
普段は、静かな境内であると想像されるが、초파일を控えた寺は、参詣者も多く、にぎやかであった。

전등사を後にして、再び、東に走り、海岸線まで行く。対岸は、김포시(金浦市)である。
ここに、有名な초지진(草芝鎮)がある。
1875年、江華島事件で、日本の軍艦雲揚号が発砲を受けたところである。(写真 右)
もともとは、首都ソウルを外敵から守るために、1656年、砲台を設置した場所である。
要塞に上がると、それらの砲台のうち、一つだけが、保存されている。(写真 下左)
要塞の上から、海を見渡せば、対岸に김포시(金浦市)が望める。
要塞に続く海岸線は、かつて砲台があったところで、要塞を下りて海岸を散策すると、長く続く海岸に深い歴史の跡を感じさせる。
초지진の広い駐車場には、大型バスが、何十台も出入りしている。もちろん、観光用の定期バスもあるし、観光用貸切バスもある。しかし、ここでも、韓国の子どもたちが、学校の歴史授業の一環として、見学に来ている風景を多く目にする。先生の説明を一心にメモしたり、カメラ(携帯電話のカメラ)に収めている姿が印象的であった。

  ここから、車で、再び、島を北上する。最初に、ソウルから江華大橋を渡ってきた道に出て、하점方面に向かって左折する。そのまま15分くらい走ると、강화지석묘(江華支石墓)に到着する。
지석묘というのは、紀元前1000年くらいの時代に、大きな石を使って作られた墓のことで、「支石墓」の漢字語であるが、固有語では、고인돌(コインドル)と言う。 日本では、강화지석묘(江華支石墓)と紹介されている本が多いが、 現地に行くと、韓国の人たちは、고인돌(コインドル)と呼ぶ人が多いので、知っておいた方がよい。
「支石墓」には、いろいろな種類のものがあるそうである。ここ、강화도には、写真のように、テーブル状のものが多い。
また、島のあちこちに大小たくさんの支石墓が存在しているとのことであるが、中でも、ここ하점のものが、もっとも大きく、有名である。

ソウルに戻る最後に、강화산성(江華山城)に立ち寄る。
13世紀に、モンゴルやフランスとの抗戦のために、都が江華島に遷都された。そのときに作られたのが、この강화산성(江華山城)である。
長い歴史の流れの中で、ほとんどすべてが焼失してしまい、現在は、南門、北門、それに西門だけが、それぞれ修復・改修されて残っている。
左の写真は、改修された西門である。

강화도(江華島)を訪れるには、あらかじめ歴史の知識をもって、出かけると、よく理解できると思う。ソウルから江華大橋を渡ったところに、강화역사관(江華歴史館)があるので、島に入る前に立ち寄って、予備知識を得ておくのも、よいことであろう。
江華島の有名な部分を、ほんの一部紹介したが、ソウルを早朝出発しても、ゆっくり見学して、夜にならないと戻ることが難しいほど、見るところが多い。
機会をつくって、ぜひ、もう一度、訪れて見たいところである。

  
 
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