お手軽 鳥見行 at シンガポール
今年2月、家族でシンガポール旅行に行った。無料の観光&お買い物ツアーに参加する女房達とは別行動をとらせてもらって、市内の植物園で1日野鳥を見 て来た。前夜、遅くまでお酒を飲んでいたにも関わらずの早起きと、日本との気温差30数℃がたたって、かなりヘロヘロ の鳥見だったけど、それなりに楽しむことが出来た。ただ、こういう旅の場合には鳥より家族を優先というわけで、多少フラストレーションが溜まったのも事実。 そんなフラストレーションを一挙に解消するため、シンガポールの野鳥だけでお腹いっぱいになってしまおうというのが今回の旅。相棒はDMZと同じくスーさんです。 |
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4月7日(金) |
お昼過ぎにスーさんをピックアップして成田空港へ。午後4時30分のANA に搭乗。今回の目的地は、マレーシアの対岸にあるスイゲイ・ブロー湿地保護区とシンガポール植物園の2ヶ所。出掛けにチェックした現地の天気は、両日とも雷雨 でチョット先行き不安なままの出国です。 定刻22時20分にチャンギ空港着。空港ビルの外に出たとたん、気温は28℃でさほど暑くないものの、湿気がすごい。2月に来た時の爽やかさとはえらい違い。30分ほどバスに揺られてホテルにチェック・イン。近所の何でも屋さんでビールを買 い込み、とりあえず乾杯。
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4月8日(土) 朝6時30分に起床、朝食後、地下鉄(MRT)ノース・サウス・ラインで35分ほどマレーシア側に走ったNS7のクランジ(Kranji) 駅へ。そこからタクシーでスイガン・ブロー湿地保護区へ。英語で書いた紙と地図を見せればすぐにわかると聞いていたけれど、最初の運転手に知らないと断られて2台目を拾う。走っている間に運転手に今日の心配してい たスコールの予報を聞くと、午後に1〜2時間とのお答え。滞在2日で日本に舞い戻ると言ったら呆れていた。 途中渋滞があって9時少し前に到着。タクシー料金は約10$(シンガポール・ドル 約700円)。入場料(1$)を払い、木橋を渡って保護区に入ってゆく。最初に出迎えてくれたのはミドリカラスモドキ(Asian Glossy Starling)の10羽ほどの群れ、幸先は良さそうだ。観察路の両側の水際にはシギチが群れているが、鳥を驚ろかさないために比較的密度の濃い木立があり、所々にある観察場所の壁の穴から撮影するしかない 。鳥の位置が少しずれていると撮影はお手上げだ。 シギはアカアシシギとコアオアシシギ、チュウシャクシギが主で、アオアシシギ、ムナグロ、イソシギ、メダイチドリが少数混じっていた。15分ほど歩 くと、コサギやダイサギがたくさん群れてい るオープンスペースがあったので、レンズを置いてしばらく眺めていたら、後ろの窪みからデッカイ鳥が2羽ヌット現れた。マレーシア半島の付け根 付近に局地的に分布しているインドトキコウ(Painted Stork)だった。次列風切のローズピンクがとても印象的だった。 |
アカアシシギ |
コアオアシシギ |
インドトキコウ |
タクシー運転手のお言葉通り、午後になると天気が怪しくなってきた。はるかかなたから雷鳴が聞こえ、ポツポツと来出したので、近くの観察小屋に 逃げ込む。これが大正解で、アッという間に土砂降り。やはり運転手のお言葉通りでそれから1時間以上足止めとなったが、逃げ込んだ場所が良く、目の前にアカアシシギとコアオアシシギの群れが 付いていたため、待ち時間はまったく苦にならなかった。 スコールが去ってやや涼しくなったところで、来た道をユックリ戻る。保護区内のアチコチでコウライウグイスの美しい囀りが聞こえる 。結構高い梢に止まっているため、声はすれども姿は見えずがほとんどだったが、2度ほどスーさんが姿を見つけてくれて撮影成功。この他、タカサゴダカ(Shikra)、アジアコビトウ(Little Cormorant)を見たが撮影は出来ず。それから、公園のHP情報では結構簡単に見られると思って期待していたシロガシラトビ(Brahminy Kite)は3回、ムラサキサギは1回、上空を通過しただけで結局撮影は出来なかった。そのほかに、アオショウビン、ナンヨウショウビン、シキチョウなど...。おまけはオオトカゲとビロードカワウソ。 午後4時で終了することにして、ゲートに向かう途中の木橋上で小休止。川面をボーっと見ていたら、青と茶の鳥が水面に突っ込んだ。一瞬、アオショウビンと思ったが、近くの枝に止まったところでよく見るとコウハシショウビン(Stork-billed Kingfisher)だった。左足のリングが付いているのがイマイチだったけど、 初めての出会いに大感激でシャッターを切りまくる。またまた、スコールがち被いているようで、あたりが薄暗くなってきたため、案内所でタクシーを呼んでもら い、MRTでホテルに戻る。 シャワーを浴びてから 伊勢丹地下のスーパーマケットでお土産(家族に頼まれたのは、ピーナツ・バター味のM&M、チョコレート味のOREO、クノールの 野菜ベース・コンソメなど 、日本では売ってないんだって)を買い込み、ホテル近くの屋台村で中華料理とビールで夕食をして9時に爆睡。 |
コウライウグイス |
コウハシショウビン |
ビロードカワウソ |
4月9日(日) 未明に雷鳴で眼が覚める。外は大雨が降っているようだ。「降るなら今のうちに」と思いながらウツラウツラしていたが、結局5時前に完全に眼が覚めてしまう。仕方がないので昨日撮ったカットの整理をしながら時間をつぶす。 朝食を摂り終わ る頃になってようやく雨も止み、タクシーでシンガポール植物園へ。園内に入ったとたん、シュロの 樹上でオナガダルマインコ(Long-tailed Parakeet)が群れているのに出くわした。大慌てでレンズを出すが、すごい湿気のためにアッという間に前球の表面が結露。 バンダナで前球を拭きながら無理やり写すが、なんだか霧の中での写真のようになってしまった。 アタフタしている間に、オナガダルマインコの群れは去ってしまい、マア歩いているうちにはレンズも乾くだろうと、ユックリ中央部の池(Symphony lake)に向かう。2月の時と同じように池の中ではリュウキュウガモの群れが泳いでいる。違うのは池のあちらこちらで蓮の花が咲き出しているということ。周囲の芝生ではオオハッカやカノコバトが餌取に忙しい。2月には見られなかったカバイロハッカ(Common Myna)も何羽か混じっていた。 |
オナガガルマインコ |
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リュウキュウガモ
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カバイロハッカ |
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オオハッカ
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一段落して、右側の池(Eco lake)に移動。途中でスーさんがアカモズを 見つける。日本で見るアカモズとシマアカモズを足して2で割ったような羽色だった。さらに進んでゆくと、池に張り出した枝の先端でアオショウビンが羽繕をし ていて、ユックリ撮影。岸辺のブッシュの中ではヨシゴイが擬態をし 、オオヨシキリが周りをうろうろしている。上空 ではアマツバメの仲間やハリオハチクイ(Blue-tailed Bee-eater)が飛び回っている。2月と同じように、小鳥達が移動するときの中継場所になっている小島の前 の木道に腰を落ち着けてユックリ観察。キバラタイヨウチョウ(Olive-backed sunbird)、セアカハナドリ(Scarlet-backed Flowerpecker)、ムナオビオウギビタキ(Pied Fantail)、チャノドコバシタイヨウチョウ(Brown-throated sunbird)、シキチョウ(Oriental Magpie Robin)などのほか、コアオバト(Pink-necked Green Pigeon)、ササゴイ、ゴイサギなどが 次々と現れ、あっという間に楽しい時が過ぎてゆく。 お昼になったので入り口近くにあるカフェテリアでサンドイッチとオレンジジュースを食べ、タバコを一服(植物園内でタバコが吸えるのはここだけ なのがチョットつらい)。 昼飯後は、蘭園側を探索。左側の池(Swan lake)の周りは整備されすぎていて、あんがい鳥が少ない。すぐに諦めて中央部の池の周りまで戻る。木立の間をチャノドコバシタイヨウチョウとキバラタイヨウチョウが忙しく動き周っているが、この辺りから太陽が出てきて、さらに気温が上昇してきたため、芝生に座り込んで休憩しながら撮影。4時で切り上げてホテルに戻る。シャワーを浴びたあとのビールが美味いこと。なんだか、このビールが飲みたくて暑い中を1日動き回ったような気もする。 6時にチェック・アウトして、マーライオン公園などを見学して11時35分の便でチャンギ空港を発ち、翌朝成田に到着。やたらに疲れたけれど、充実した2日間でした。スーさんお疲れ様、今度はどこに行く? |
アオショウビン |
ササゴイ |
シキチョウ(雌) |
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チャノドコバシタイヨウチョウ(雄) |
キバラタイヨウチョウ(雌) |
キバラタイヨウチョウ(雄) |
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ムナオビオウギビタキ |
ホソスンダリス |