3日目
勝数で優位なので、2勝できれば昇級は確実。特に中央大学との直接対決には負けられない。
6回戦 青山学院大学戦
相手の主力は井上氏、牟田口氏。ただ、井上氏はオーダー表に名前こそあるもののこれまで全く出場しておらず、今回出場してくるとはあまり思っていなかった。
当たりは次のようになった。
菊池―正端、村田―井上、松原―三倉、岡垣―牟田口、小川―小川。6将、7将は不戦勝。予想に反して井上氏は出場してきたが、村田なら互角に戦える。4将は厳しい。
ここでは4将、岡垣の将棋を見ていただく(岡垣が先手)。実力者、牟田口氏を相手に善戦し、図20となる。
図20から、▲3三成銀△7五銀▲4二成銀△同角▲5五歩△7四飛▲5六飛△4四桂で、図21。
▲3三成銀で先手は桂得だが、以下飛車が助からないので形勢は微妙。△7五銀には▲5五歩で、飛車の取り合いは不利な後手は△7四飛。この後の▲5六飛が疑問手。▲3六飛として、以下△4四桂▲3七飛△2六銀という取らせ方が勝った。図21からも▲5七飛ならまだ微差だったが、▲5七香△5六桂▲同香としてしまい、以下は牟田口氏に押し切られた。
不戦勝が2つあったこともあり、5−2で勝つことができた。
7回戦 中央大学戦
6回戦まで終わって筑波大学が全勝なので、ここで勝たないと昇級できない。最後にして最大の勝負どころである。相手の主力は戸枝氏、池上氏。確実にかわせる戸枝氏をかわし、あとはレギュラー5人と山元を出すことにした。
当たりは次のようになった。
市村―戸枝、菊池―藤井、村田―池上、山元―細川、松原―嶋本、小川―堀江、鎌田―奥村
大将は厳しく、4将、6将は互角くらいか。3将、7将が勝負どころで、どちらかで勝てれば勝利の可能性はぐっと高まる。
まずは、6将の小川の将棋を見ていただく(小川が先手)。三間飛車対居飛車穴熊から、四筋、三筋で戦いが始まる。図22は角桂交換で先手が駒得。4四、3四の拠点も大きいが、次に△6九飛と打たれると面倒なことになる。
図22から小川は▲4三歩成△同金▲2二角成△同金▲3一銀△6四角▲4六飛△3一角▲4三飛成と進めて図23になる。▲4三歩成〜▲2二角成〜▲3一銀は、とにかく穴熊の金銀をはがそうという手。ただ、△6四角の王手銀取りをくらう。小川は見落としていたらしく、「ヒヤッとした」(本人談)らしいが、幸い▲4六飛で大丈夫。図23からは、△6四角▲4六歩△3二銀に▲同竜△同金▲4一銀と進め、以下自陣に手が着く前に寄せきった。
次に、7将の鎌田の将棋を見ていただく(後手が鎌田)。序盤で飛車銀総交換となるが、その後しばらく駒組みとなって迎えた図24は、後手の鎌田が△7四とついて桂頭をねらったところ。以下、▲6五歩△6六角▲7八金△5七角成▲6四歩△7五歩▲4五歩△5五銀▲5三歩△同金▲6五桂△6四銀▲5三桂成△同銀▲5五角△6二飛で図25。△5七角成が緩手、△6四銀が悪手で、▲5五角を許しては後手不利。
図25からは▲5八銀打△5六歩▲6七金△同馬▲同銀△同飛成と進行したが、これが最後の逸機。△同飛成で△5七歩成であればまだ勝負所があった。△6七同飛成以降、▲5八金△6九龍▲6八飛△同竜▲同金となっては嫌味がなくなり、玉の堅さがの違いが大きく影響してしまう。以下、そのまま押し切られた。
副将、4将、6将で勝ったものの、大将、5将、7将で負けて3−3。勝負は村田―池上戦の結果次第となる。
その村田―池上戦は相矢倉となる(村田が後手)。図26は△7六歩の取り込みを▲同銀としたところ。ここから激しい攻め合いとなる。
図26から、△3五歩▲同銀△3六歩▲3八飛△7五銀▲6五銀△8六歩▲同歩△同銀▲4五歩△8七銀成と進行する。△3五歩〜△3六歩で桂得だが、攻めを呼び込むことになるので怖い手順。先手も▲3六同銀では▲4七銀とすれば無難だが、7筋に傷があるため指しにくいか。以下、先手が激しく攻め立てて迎えたのが図27。先手が▲6四角と歩をとりつつ飛び出したところだ。ここから村田は一気に先手玉を寄せてしまう。図27から、△6九銀▲同玉△8九飛成▲7九歩△3七角成▲同角△3九飛▲5九角打△4七桂▲7八銀△5九桂成▲同角△3六角▲5八桂△5九飛成(図28)。
△6九銀〜△8九飛成と王手で飛車を成りこんで△3七角成〜△3九飛の王手角取り。▲5九角打に△4七桂が決め手となった。図28以降は即詰みで、▲同玉△7九龍▲6九銀△3七角▲4八銀△同角成▲同玉△4七金▲3九玉△3八銀▲2八玉△2七角成まで先手が投了。この勝利によって中央大学に4−3で勝つことができ、昇級が決定した。
総括
今年の結果は勝ち点5、勝ち数32の2位での昇級となった。秋はA級で戦うこととなるが、残留を目標にがんばりたいと思う。