6戦目 中央大学
2敗で僅かに昇級の目を残している中央大学。
細川氏、奥村氏、澤田氏が主力であり、奥村氏が全勝中の松原と勝負しに来ると宣言していた。
当たりは鎌田―細川、村田―鈴木、神門―嶋本、小川―大竹、松原―小野、小方―奥村、栗本―澤田。
小方が2日目欠席していたため、奥村氏は6将を狙ってきたが外れである。
6将が絶望、大将、7将も厳しい、副将、4将、5将は圧勝、3将が勝負とみていた。
ここでは勝負所の神門と、栗本の将棋を見てもらおう。
筋違い角から作戦勝ちになった左図。ここで▲5八飛と中央に狙いを定めたのが好着想で、以下▲5八飛△4二飛▲5五歩△7二角▲5六銀△2六歩▲同 歩△3五銀▲5四歩△同角▲5五銀(右図)と、角を目標に自然な流れで優勢を築いて勝ちきった。
続いて栗本の将棋。
栗本の先手番一手損角換わりでお互い激しく攻めあって迎えた左図。ここで△6五銀としたのが指しすぎで、▲同銀△同桂▲同金△同飛▲7四角(右図)と進み先手が優勢になった。以下、妖しくなっていったものの、最後は何とか後手玉を即詰みに討ち取った。
鎌田、小方が負けたが、残りを全て取れて5−2勝ちとなり昇級が決まった。
余談だが、鎌田が秒読みの中慌てて左手で指して右手で対局時計を押す反則行為をしたとき、一斉に東工大側の方から「それありだっけ?」×nの罵声(?)が聞こえたとか。笑
7戦目 千葉大学
最終戦は昨年秋にうちとともにA級から落ちてきた千葉大学。きっちり着地を決めておこう。
岩元氏、小形氏、三枝氏が主力だが、ここも古豪新鋭戦を第一に考え、小方を出した。
当たりは、鎌田―五月女、村田―増渕、神門―横澤、小川―岩元、松原―小形、小方―三枝、栗本―明嵐。
4将、6将はやや厳しく、副将、7将は圧勝。5勝は有利。大将、3将は勝負である。
神門の将棋を紹介する。
先手筋違い角の出だしからの終盤で、左図は後手が△6五歩と叩いたところ。ここから、▲4六桂△6六歩▲3四桂△同金▲2三銀△同金▲同歩成△同玉▲4一角△3二歩▲3五桂(右図)と一気に寄せきった。
次に松原の将棋を見てもらおう。
先手四間飛車対後手居飛車穴熊の戦い。左図はまだ難しい局面のようにも見えるが、以下、
▲6三歩△同 飛▲5五角△6七歩▲同飛△6六歩▲同角△同角▲同飛△6五銀▲6八飛△6七歩▲4八飛(右図)となって優勢になった。右図では後手の銀の使いにくくなってしまっている。
厳しいと見られていた小川、小方が負け、勝負所の一つである鎌田も負けたが、村田、神門、松原、栗本が勝って4−3勝ちとなり、B1級優勝となった。
近年、東工大はA級かB1級に在籍しているが、昇級時は2位ばかりで、記録によるとB1級優勝は12年ぶり。
また、松原が全勝で学生名人戦の出場資格を得、優勝に花を添えた。
そして来期は再びA級での戦いとなる。現在の戦力では苦戦は必至なので、各々の将棋の棋力をしっかり上げて臨んでいきたいと思う。