大吉が逝って一年たち、改めてあの最後の日々のことを記録してみる気持ちになりました。当時とっさにメモしたり手帳に書いていたことや記憶の中から、まるで昨日のことのようにいろいろなことが蘇ってきました。
大吉が最後までがんばったことを、私たち家族は一生忘れないでしょう・・。
   2008年、1月5日  大吉の一周忌に。



■2006年12月になってからとにかく大吉が食事を食べないことに毎日苦労していた。何を与えてもコレは嫌、あれは嫌と、一口ぐらい(一口も食べないことも)しか食べないくせに一日中食事の催促をしていて、ただの我儘のようにしか思えなかったが、今にして思えば、もうこの頃から腎機能の衰えにより、体が食べ物を受け付けなくなっていたのだ。
食事の催促はすごくダイナミックだった。昔からジャンプしたことのない猫だったのに、台所の流しのへりに飛び乗って、くれくれ攻撃をしていたので、そんな様子は元気な姿にしか見えなかった。


■12月30日■
・朝、二階の窓のすぐ下に置いてある椅子に、いつものように飛び乗ろうとした大吉だったが、飛び乗る力がないように下に倒れた。昨日までは難なく乗っていたのになぜ?とショック受ける。

・夜に血尿が出た。


■12月31日■
・朝一番に病院に連れて行った。点滴された。血液検査などの結果、腎臓の数値が120以上(通常は30ぐらいだそうだ)あることで先生の顔色が変わった。データ的にはもういつお迎えが来ても不思議ではない状況だと説明された。母泣く。


■2007年1月1日■
・この日も朝一番に点滴に行った。30日から一口も物を食べていないが、点滴のおかげで大吉は体が少しは楽そうだ。家に帰るとフットワークが軽くなり、窓辺で日向ぼっこしたり、人間が昼食に餅を焼いていたらその香ばしいかおりに反応したりしていたので、この調子では明日ぐらいになったら普通の食事も受け付けるようになるのではと期待した。


■1月2日■
・朝一番に点滴。やはりこの日も普通の食事摂ろうとせず。

・祖母の誕生日なので夜に寿司を取ったら、大吉が寿司の匂いに大騒ぎして、久しぶりに自分から食べたいと意欲を見せた。中トロ一切れ全部食べた。でも、もっと食べるかと思ったのに次の赤身は半分残してしまった。結局一切れ半しか食べなかった。でも、この今日こうやって少しでも何かを食べられた事が、また明日の食欲に繋がるのではないかと希望を感じた。

・ところが、数時間後に、食べたものを全部吐いてしまった。ふり出しに戻ってしまったとがっかりした。


■1月3日■
・朝一番に点滴。病院で無理矢理口の中に餌を入れられた。
・家に帰ってからずっと吐き気が続く(何も出ない。えずくだけ)。昨日よりだいぶ衰弱を感じる。祖母の部屋のこたつの中を出たり入ったりしていた。

・夜、6時半ごろ、二階のトイレに行きたそうに階段の下にいたが、力がなくて自力で階段を上れない。抱っこして連れて行ったら自分でおしっこをしたものの、トイレを一歩出たら力尽きてその場にバッタリ倒れた。

・私たちが夜の食事を取っている様子を、すぐそばの猫ベッドのへりに顎を乗せた格好でじーっとうらやましそうに見ていた。「元気になったら、何でも好きなものあげるからね」と言って励ました。

・その直後、大吉が水のみ場に歩いて行き水を飲もうとした。ふいに後ろを振り返った。「えっ?」というような驚いているような顔をして、そのまま自分のしっぽを追いかけるように突然くるくる回り出した。全身の痙攣に発展し、水の器を倒しながら倒れてしまった。
急いで先生に電話をした。腎不全から起こる尿毒症の発作だと言われた。その後も変な発作が数回起きた。

・その夜は私は布団を居間に持ち込んで猫ベッドに横たわる大吉の隣りで寝た。。うとうとして目が覚めると、大吉が私の顔をじっと見ていた。大吉の手を握るとぎゅっと強く握り返してきた。


■1月4日■
・朝一で病院。点滴。衰弱が目に見えて進行していて、昨日までのようにもう意志の相通もできなくなってしまった。

・トイレ5時、9時、15時50分。午前中まではトイレは自力でできたのに、午後からはトイレで体を支えてやらないと用を足したまま前方に体が曲がって倒れてしまう。

・痙攣の発作・・・16時15分 母が注射器で水を飲ませた直後に始まった。
           20時15分 この時失禁も。

・23時30分頃、歯軋りみたいな音。口をくちゃくちゃ。注射器で水飲ませたら収まった。


■1月5日■
・トイレ  0時10分
      5時50分頃
意識がもうないのに、トイレに定期的に連れて行くと本能でちゃんとおしっこを出す。なんて偉いんだろう。意識がないのだから寝たままでさせたほうがいいのだろうかと先生に相談したら、先生はできるものならできる限りはトイレでさせたほうがいいと言った。トイレで用を足すということは、それが生きようとする力に繋がるのだという。

・5時40分頃、注射器で水をやるが、全く動かず(眠っていたのか?)。

・朝八時台に病院。点滴。病院にいるときから小刻みに全身が痙攣していて、家に帰ってもずっとそれが続いていた。

・11時35分頃、痙攣が止まる。息を引き取る。