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 算数数式組版ソフト説明


 InDesign を利用した小学算数数式ソフトのご説明

小学算数組版の文章の部分だけでも、かなりの経験と知識が必要となります。しかし、現在ではこの経験と知識の多くの部分をInDesignの機能が補ってくれます。また、専用のカスタマイズをほどこしたInDesignを利用すれば圧倒的な効率を得ることができます。

株式会社リックの算数数式組版ソフトのデータは、グラフィックパーツを一切使用していません。すべて専用フォントとInDesignの機能のみによってつくられています。また、外部からインデザインの機能を制御してデータを作成しますのでプラグインは不要です。

専用フォントさえマシンにインストールしてあれば、どのマシンでも算数数式の作成・修正ができます。ご経験のある方にはピンと来ると思いますがこれは新版作成時に初校・再校などが重なって仕事が横に広がった場合にたいへん有利になります。

膨大な初校・再校が重なっても算数数式の体裁確認や解答チェックの必要は要りません。DTPオペレーションのみならず編集・校正作業の合理化を一気に加速できます。

株式会社リックの算数数式組版は、コンピュータを利用するメリットを最大限利用しています。




リックの算数数式組版ソフト用の数式テキストの書き方 
 123+456  
 123+456=  
 123++456  
 123++456=  
 123*45   
 123*45=  
 123**45  
 123**45=  
 123**45==  
 125/25  
 125/25=  
 125//25  
125//25=  
 125//25=  

 [45/789]

 
 


数式テキストの入力のそのメリットについて

株式会社リックの算数数式組版ソフトは、数式テキストに”=”を追加すると、解答を自動生成します。さらに、数式テキストに”==”を追加すると演算過程と式上の補助線や解答の小数点の位置などを自動調整しなら生成します。

 算数数式組版ソフトへの入力は、上記のルールでWrodやNotePadで作成してInDesignへ送るか、InDesignに直接「数式テキスト」を打ち込み文字列を選択するとそれを数式に変換します。単純に小学数学を表現するだけですからこれ以外のルールは必要ないのです。実務のソフトはこのような作り方がしてあるのがベストです。

さらに組み上がった算数数式を選択して再びそれを数式テキストに戻すことができます。つまり、数式テキストと算数数式はデータ的にまったく等しいということになります。

この機能を上手に使うと、数式テキストを外部で作成して一気に算数数式に変換することができます。

一般に、算数数式組版は出版社によって違う組版ルールがありさらに暗黙のルールが多々ありますが、これをプログラムをカスタマイズして学年、級数別で自動処理します。




実際のプログラムの運営はおどろくほど簡単です。左はプログラムを開いた状態ですが、ただこれだけです。ボタンは1つしかありません。変換開始を押すと、選択された数式テキストを数式に変換します。変換された数式を選択して変換開始を押すと数式は再び「数式テキスト」に戻ります。
数式テキストを書きなおして、再び変換開始を押すと数式に変換されます。したがって、ボタンは1つだけです。

株式会社リックが作るプログラムは、このようにとことん機能を単純化させています。なぜなら、プログラムを利用するのはオペレータでプログラマでもエデェタでもないからです。

実際にプログラムを運営する本人が作っているのですから、常に「いかに楽に生きるか」を追求しています。




   




  フォントや数式の体裁について 

算数数式に使用する数字フォントは、独特な形状をしています。各出版社のこだわりがそのまま文字に出ています。出来合いのフォントでは、まず、間に合いません。演算記号もやはり大きさや太さなど各社のこだわりのママとなります。

このため、算数用フォントはカスタムメードとなります。現在、使用しているフォントをお持ちならそれをプログラム用にカスタムできます。

分数の線の太さやアキなどは級数ごとに細かい指示があるのが普通です。算数数式の場合、20級〜50級ぐらいまで式の大きさが変わりますのでこれに追従する必要があります。

算数数式ソフトは、打ち込んだテキストの級数で算数数式を生成します。級数ごとの数式の仕様はプログラム内で処理します。そのため、算数数式体裁はやはりプログラムのカスタマイズが必要となります。




 教科書ごとの表記の違いと解答の小数点以下について

割り算の場合、あまりの場合に2種類の表記があります。また、新指導要領からは桁の多い計算がかなり必要となります。

この対応が必要ですが、プログラムがファイル名をチェックして対応することができます。ただし、ファイル名に教科書名を示す記号(K01-、T03-など)です。

 




メニューのカスタマイズにつてい

このプログラムは算数数式用ではなく、国語の「漢字**」教材用に作成した専用拡張メニューです。

ノーマルのInDesignで、ルビ・アンダーライン・文字色変更はメニュー上からできますが、この拡張メニューを使えば一発で指定された状態を作成できます。実際のオペレーションをされている方ならおわかりいただけると思いますが、たとえばアンダーライン一本を引くのに何回マウスをクリックしますか?これがあれば1度で指定通りのアンダーラインが引けます。数千本のアンダーラインが必要な場合にそのメリットはものすごいものとなります。また、細かいルールを知らないオペレータでもプログラムが正しく処理します。

拡張メニューにある「ブル罫」と「網掛け」は裏で専用プログラムが動き、InDesignの機能にない処理をしています。ご承知のようにInDesignには文字網掛けの機能はありません。また、ブル罫はInDesignの機能にありますがノーマルでは太くてたくましいブル罫は引けません。網掛けやブル罫が連続して何ページもある場合にものすごいメリットが出ます。このプログラムは完全外付けですからInDesignのデータには何ら影響を与えません。

単純だけど間違えることのできない処理を合理的に処理できます。メニューをカスタマイズすると数十時間の処理が数分で終わる場合があります。株式会社リックは、InDesignでの実務を通じてこのようなカスタムツールの開発も行っています。

  
  ブル罫が必要な文字を選択して「ブル罫」を選び「実行」で設定なれているブル罫を引きます。

網掛けが必要な文字を選択して「網がけ」を選び「実行」で設定されている文字アミを文字にふせます。

「ルビ文字2」は、ルビ文字に詰打ちが必要な場合にInDesignの基本機能以外の方法でルビ文字に詰めをかけます。

これらの機能は、出版社・教材・学年の判断をファイル名から取得して自動に処理します。そのため、オペレータはアンダーラインの種類やルビ文字の級数などを知らなくても常に正しい処理が行えます。






 この算数数式組版ソフトは、お打ち合わせ後にカスタマイズしてお届けするか、組版自体を受注、あるいは算数数式データのみをデータ納品などを予定しています。

いずれにしましても、数式体裁の確認や専用フォントのカスタマイズが必要となります。







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小学算数式組版について思うこと

小学校の算数数式組版は、「数学」ではなく「算数」です。このため市販の数式ソフトではまったく歯が立たない場合が少なくありません。また、逆に多機能の数式ソフトで要件をみたしている場合は逆にこれが足かせとなって例外処理がまったくできないなどの矛盾があります。

実際に組版された印刷物を利用するのは小学1年生から6年生までの児童です。特に小学1・2年生の場合は、まだ算数だけではなく「日本語」の入門状態でもあり、学期単位あるは単元単位で使用級数が変わるなどいっけん簡単そうで実はたいへんに難易度が高のが小学算数組版です。今回はご紹介しませんが、さらに「きさり」・「たにだ」など商印しか知らないオペレータの方には理解不能な暗黙のルールが多々あります。

小学生、特に低学年が使うノートは、一文字づつマスに文字を書ける(植える?)ように方眼紙のような作りになっています。当然、教科書はこの考え方に基づいて組版されています。この「一文字づつマスに文字植える」という考え方が、最もオーソドックスな学参組版といえます。

文章においては当然ですが、算数の数式組版の場合は数字は全角・六分・半角を使い分けて数式のどの部分に定規を当てても数字が同じ位置にある必要があります。これは、桁ごとに補助線を当てた場合に正確に各数字の桁位置が同じでなければならないためです。さらに、小数点は場合によっては文字幅を持つ場合と小数点が全角数字の間にある場合は小数点は文字幅を持たないなどの暗黙のルールが多々あります。余談になりますが小学算数の図形は児童が必ず物差しで長さを測り、分度器で角度を測りますので一般書物以上に正確な図形が求められます。

一般的に学参組版では、文字の大きさの単位に級数が使われます。しかし、現在ではポイントを使って組み上げられている場合も見受けられます。学参組版においては、級数を使うのが合理的です。1級はご存じの通り0.25ミリです。文字の大きさ・線の太さ、さらに盤面設計まですべて級数を用いて設計すれば端数がでずまったく矛盾のない美しい組版が出来上がります。これを面(つら)の締まった組版といいます。

学参組版においては和文は常に全角であり、数字は全角・六分・半角・四分となります。このルールに基づいて原稿作成が行われているはずです。最近よくあるトラブルで、スペースの「半角」指定の場合にDTPにおいて1バイトのスペースを「半角」とカン違いしている場合があります。DTPの1バイトスペースは三分です。これは、欧文のスペースであって決して和文の半角ではありません。欧文のスペースを混在させた学参組版はたいへ見苦しいものとなります。
 





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