２０１１年３月１１日。
この日を一生忘れることはないであろう。そう、あの忌まわしい、東日本大震災が起きた日だ。
オレは前回２月１２日のライブ以降、仕事が急激に忙しくなり、徹夜を繰り返す日々を過ごしていた。
そして、この日も朦朧とした頭で会議を行っている時に、あの地震が起きた。
突然、一斉に鳴り響く携帯電話の音。
「いったい何事か！？」とその場にいた全員が確認すると、緊急地震速報メールであった。
２日前にも結構大きな地震が起きていた。
「んっ? また、でかい地震が来るのか？」と思った瞬間にとてつもない揺れがやってきた。
慌てて会議室の扉を開け、外に出たところでもう一歩も動けなくなってしまった。
脇にあったロッカーに必死にしがみつき踏ん張って立っているのが精一杯。
バリバリ、ギシギシという壁や天井がきしむ音、ガシャンガシャンとパソコンなどが吹っ飛び壊れる音、
キャーという女性社員の悲鳴。
そして、停電。。。
一旦収まるかと思いきや、またもや大きな揺れ。長い、長すぎる・・・。
確か揺れていた時間は２、３分だったと思うが、この時は１０分くらい揺れていたような気分だった。
そして、約１ヶ月前にニュージーランドで起きた地震による大災害の光景が脳裏をかすめた。
「やばい！このままじゃ絶対にこのビルは倒壊する！オレ、死ぬかも・・・。」
マジでそう思った。
と同時に、ビルが崩れて地面に叩きつけられる直前にジャンプすれば助かるんじゃないか？！という間抜けな
発想も浮かんだ。（←バカだ。苦笑）
そして、ようやく地震が収まった。
呆然とする社員一同。その後、全員の怪我の有無状況の確認等を行い、余震の様子を伺いながら全員帰宅。
交通機関はバスが動いていたし、タクシーも走っていたが道路は大渋滞。こりゃ、ダメだ！
オレの自宅までは歩いても１時間くらいだと分かっていたので迷わず徒歩で自宅を目指した。
途中、３月だというのに突然の降雪。寒い・・・。なんだっていうのだ、まったく！
歩きながら家族や親しい人に電話をするが当然つながらない。メールをするも返信なし・・・。
みんなの安否を心配しながらも、実はギターも気になっていた。
一番気になったギターはオレの宝物、愛器レスポール君。
「多分、倒れちゃってるんだろうなぁ・・・。キズ程度ならいいけどネックが折れてたら悲しすぎるなぁ・・・」
などと考えながら、一心不乱に歩き続けた。
ようやく自宅にたどり着くと、家族や愛犬はとりあえず無事であった。
良かったぁ〜、と思いつつもギターを確認しに自室へ向かうと・・・、
行く手を阻むかのように廊下の本棚から崩れ落ちた大量の本。。。
そんなものは構わず、本を踏みつけて部屋へ入ると・・・、
おぉ〜！
泥棒に荒らされたか、あるいは青春真っ只中の高校生が散らかしているような部屋の中で、愛器レスポール君は
「どこからでもかかってきなさい！」という感じで堂々と立っていました。
良かったぁ〜、と思わず頬擦りしそうになりましたが、相変わらず大きい余震が続いていたのですぐにハードケースに
収納しました。
ほっと一安心して部屋を見渡すと・・・、
愛器マーチン君が無残な姿で転がっていました・・・。（泣）
しかし、覆いかぶさっているガラクタを取り除きマーチン君を持ち上げると、な、なんと！
無傷でした！
それにしても凄い部屋の荒れ方だ。
ＴＶも乗っており、重すぎて一人では動かすのが困難なオーディオラックですら約５０ｃｍ程ずれている。
ＣＤケースもひっくり返って滅茶苦茶です。
別室に置いているギターを確認しにいくと・・・、
高校の時に買ったＴＯＫＡＩストラト君が突っ伏していました。。。
でも、彼は丈夫なのでこれっぽっちではびくともしないのです。
っていうか、長年使っているから、既に傷だらけだし・・・（笑）
そして、この日からロウソク生活が始まりました・・・。
停電しているからテレビも観れないし、起きていてもしょうがないので早く寝ようと布団に入ったのだが、
大きな余震が依然として断続的にやってくるし、その度に携帯電話の緊急地震速報は鳴り響くし、他県に
住む知人達からは安否確認メールが次々と来るし、全然眠れない。
そんな中、つけっぱなしにしていたラジオから恐ろしいニュースが・・・
「荒浜地区では２００から３００体の遺体が確認されました」
うわっ！とんでもないことになっている！
帰宅途中、市内中心部や自宅周辺はそれほどひどい被害状況ではなかったし、津波が来たのは知っていたが
被害状況はそれまでラジオでは報道されてなかったし、ラジオで報道していた死者数もそれまでは数名程度
だったので、そんなひどいことになっているとまったく思っていなかったのだ。
翌朝、起きるや否や自分の車に乗り込み、車のテレビでニュースを見ると、
ひどい・・・、あまりにもひどい光景が目に飛び込んできた。。。
なんなんだよ、まったく！！
自然と怒りがこみ上げてくる。
この後、約１ヶ月間不便な生活を強いられたが、オレなんてたいした被害は受けていないので全然幸せです。
本当の被害はテレビなどで報道されているとおりなのです。
亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りいたします。また、遺族の方々には本当にお悔やみ申し上げます。
そんな状況だったので、例年なら４月１日から募集が始まる音楽イベント、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」
のＷｅｂサイトでは、「開催するか中止するかを検討中」と書かれていた。
例年なら、我がバンドのベース＆映像製作担当ＫＵＢＯ−ｃｈａｎと応募映像編集会議をやっているところなのだが、
こんな状況ではやっても意味がないし、そもそも編集会議を行うべき居酒屋がオープンしていない（笑）
新聞の報道を見ても全国各地でいろんなイベントが自粛ということで中止になっていた。
まぁ、今年は中止でもしょうがないな、と思っていたら、４月２１日、うれしいニュースが！
「定禅寺ストリートジャズフェスティバル開催決定！５月２日募集開始！」
おぉ〜！やったぁ〜！
オレは歓喜した。出演できると決まったわけでもないのに・・・（笑）
すかさず、ＫＵＢＯ−ｃｈａｎにメールで応募映像の製作を依頼した。
ＫＵＢＯ−ｃｈａｎは実家が津波の影響を受けており、多忙な日々を送っていたので、それどころではなかった
はずだが、２つ返事で依頼を受けてくれた。
うれしいねぇ〜、まったく！
そして、我々の定禅寺ストリートジャズフェスティバルへの強い思いが届いたのか、今年も無事に審査合格！
それから猛練習の日々が始まった。（といってもドラムスｔｋが東京在住なので月に２回程度。笑）
ジャズフェス前に一度、リハーサルを兼ねてライブをやっておきたいと思ったので、メンバーに確認したところ、
もちろん快諾で、ついでに、「打ち上げのリハーサルもやっておこう！」ということになった。
相変わらず変なバンドだ。（笑）
ライブ日記なのかなんなのか、まったく分からなくなってしまったが、こうして我々は、この９月４日のライブ、
ＬＩＶＥ ＡＴＴＡＣＫ！！「南東北*野外サーキット宮城編」に出演することになったのである。
今回のライブの位置づけはリハーサルなので、当然シークレットライブである。
つまり誰にも告知しないというやつだ。
プロミュージシャンなら、たとえシークレットであってもどこからか情報が漏れ、多数の観客が集まるのだが、
我々のシークレットライブの場合、そんなことはあり得ない。
そんな訳で、撮影してくれる人すらいなかったので、今回は写真がありません。
シークレット過ぎました（笑）
あっ、１枚だけありました。
会社帰りにライブ会場を下見に行った際に撮影した画像です（笑）
この会場は、わが街、仙台市における最大の夜の歓楽街、「国分町」の中にある公園だ。
夜はもの凄い数の酔っ払い達と夜のお姉さん達で賑わうこの界隈で、果たして休日の昼間に
この公園に来る人はいるのだろうか・・・？
そんな不安を抱えつつ、ライブ会場に到着。
あっ、いました、観客が！
３人。（笑）
しかも、うち一人は乳母車に乗った赤ちゃん。（笑）
その３人を見るや否や、ボーカル担当ｍｅｙ嬢が、「あっーーーーーーーーーっ！」と叫んで３人（内、１人は赤ちゃん）
のほうへ走っていくではないか？！
「ほぉ〜、ｍｅｙちゃんは知り合いを呼んでいたんだ」と思っていたのだが、後で話を聞いたら、高校時代の後輩らしく、
高校卒業以来、１０数年ぶりに再会したらしい。
なんという偶然！（笑）
しかも、その内の一人は１番目の音楽ユニットのボーカル担当であった。
さて、そんな偶然の再会に驚いていると、いよいよ我々の出番。
サウンドチェックを入念に行い、いざ演奏スタート！
会場を見渡すと・・・・
やはり観客は３人（内、１人は赤ちゃん）。（笑）
我々バンドメンバーより人数が少ないではないか？！
寒い・・・、寒すぎる・・・・。
それでも数曲やっているうちに、我々のでかい音が気になったのか、徐々に観客も増えてきた。
その数、約３０人。（多分）
内訳）
ＫＵＢＯ−ｃｈａｎの家族 ： ２名
ＫＵＢＯーｃｈａｎの会社同僚 ： １名
先ほどのｍｅｙ嬢の後輩とその赤ちゃん ： ３名
この３人の友達らしき人 ： １名
イベント会社のスタッフ ： ２名
このスタッフの知り合いらしき人 ： １名
１番目に出演した人 ： １名
次に出演するバンドの人たち ： ４名
隠れＬｉｐｓ！ファンらしき人とその彼氏らしき人 ： ２名
隠れＬｉｐｓ！ファンと思われるカメラ好きの青年 ： １名
公園にあるトイレに立ち寄ったタクシーの運転手 ： ２名
公園にある駐輪所に自転車を取りに来た人 ： １名
通りすがりに立ち止まったと思われる人 ： ５名くらい
こんなに沢山の人たちに観てもらうことが出来ました。（笑）
まぁ、それでもひさびさのライブはやっぱり楽しかった！
何よりもあの大震災から約半年でメンバー皆元気にライブをやれたことが嬉しかった。
演奏については、やや荒さはあったがひさびさにしてはまぁまぁの出来だったのではないだろうか・・・？
＜今回のＳｅｔ Ｌｉｓｔ＞
サンダーガール
Ｌａｄｙｂｕｇ
こいのうた
ＭＯＮＳＴＥＲ ＴＲＥＥ
流星ミラクル
終電マスター
ライブ終了後、一旦解散し、夜に再度集合。
そう、今度はジャズフェスの打ち上げのリハーサルである。（笑）
一次会はいつもの居酒屋で飲み食いし、二次会はいつものカラオケボックスで、９０年代メドレーとか
怒涛の２５曲メドレーなんかを歌って大騒ぎしました。
さぁ、次週はいよいよ本番の「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」だ！
みんな頑張ろう！（って、このライブ日記を書いている時点では既に終了しているが・・・。笑）
最後に・・・、
主催会社ＳＳエコースのスタッフの皆さん、初めて我々の音楽を聴いてくれた皆さん、本当にありがとございました。
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