2011. 9.11 at 第21回 定禅寺ストリートジャズフェスティバル
− Set List −
リルラ・リルハ
サンダーガール
Ladybug
こいのうた
ありあまる富
MONSTER TREE
終電マスター
流星ミラクル
2011年9月4日 の夜、我々はいつもの居酒屋で翌週の定禅寺ジャズフェスティバルに向けた最終リハーサルを行っていた。
えっ?!居酒屋でリハーサル・・・?
何故・・・?
そう、この日は、昼間にリハーサルライブ(LiveATTACK!)を行い、夜は打ち上げのリハーサルだったのだ。(笑)
まさに完全リハーサル・デイ。
打ち上げのリハーサルまで行うバンドは他に見たことがない(笑)
まぁ、そんな夜のリハーサルで、我々は昼に行われたライブの反省会も併せて行っていた。
「まぁ、ひさびさにしては良かったんじゃない?」
「観客が最初はほとんどいなかったけど、徐々に集まってきたよなぁ〜。やっぱり俺たちの隠れファンがいるんじゃねぇーの?」
とか、相変わらず非常にポジティブな意見交換を繰り広げていた。
「でも、MCでの突然のメンバー紹介は焦ったなぁ・・・」
「やっぱりメンバー紹介はビシっと決めたいね」
「じゃあ、次回のスタジオではメンバー紹介の練習をしよう!」
・・・。(苦笑)
言っておくが、次回のスタジオ練習とは、今年の最大イベント、定禅寺ストリートジャズフェスティバルに向けた最終練習である。
その重要な場において、メンバー紹介の練習とは・・・。
どこまでもアホなバンドである。(笑)
スタジオ練習当日。
「じゃあ、メンバー紹介の練習やるよ」
「メンバー名を呼んだら、その人は音を鳴らすパターンでやろうか。じゃあやってみよう」
Vocal担当mey嬢がひとりづつ紹介していく。
メイ:「ギター!kenくん!」
楽隊:「ジャ〜、ジャン!」(←決してしゃべっているわけではない)
メイ:「ベース!KUBOーChan!」
楽隊:「ジャ〜、ジャン!」(←決してしゃべっているわけではない)
メイ:「ドラムス!tk!」
楽隊:「ジャ〜、ジャン!」(←決してしゃべっているわけではない)
メイ:「なんか、芸がないね・・・。」(苦笑)
KUBO−chan:「じゃあ、メンバー紹介しながら音を重ねていくパターンにしましょうか?」
さすが、バンドで一番の音楽理論保持者である。(理論ってほどじゃないが。笑)
ken:「おー!いいねぇ〜、じゃあやってみよう!tk、適当に叩き始めて!」
ドラム:チャチャスチチャ、チャチャスチチャ
ベース:ボーンボーン
なんと!
こんな感じで、たった2時間のスタジオ練習において、30分もメンバー紹介に時間を
費やしてしまったのだった・・・。
その夜、帰宅してから風呂の中でもフレーズを考えるオレ。
なにせ、音楽理論もセンスもまったくないためアドリブは弱いのである。
翌朝、tkを車で迎えに行くと会うや否や、tkから驚きの発言。
tk:「メンバー紹介だけどさぁ〜、8小節づつの回しでいこうぜ」
オレ:「えっ?8小節?」
な、なんと!この男も昨夜いろいろと考えていたのだろう。(笑)
そして、今度はKUBO−Chanと現地で会うや否やさっそくミーティングだ。
オレ:「メンバー紹介だけどさぁ、tkと車の中で打ち合わせしてきたよ。
8小節でよろしく!」
どこまでもメンバー紹介にこだわるバンドなのであった。(笑)
今回の出番は1番目。
1番目のステージは、観客の集まりが悪いという欠点はあるが、サウンドチェックを十分に行えるという
利点がある。
さっそく、我々はメンバー紹介の練習を始めた。(←またかよ!(笑))
さて、いよいよ時間となり我々のライブのスタートだ!
今回は1曲だけ動画公開します。「こいのうた」
さて、一息ついたところで、いよいよ今年の最大のヤマ場、「メンバー紹介」だ。(笑)
・・・・。
多くは語りたくありません。(笑)
そう、個人的にはグダグダでした・・・。
`
途中、mey嬢のMC。
「今日ここにいる人は震災では多かれ少なかれ色々なことがあって、私もいっぱいいっぱいな状況でした。
普通の宮城県に戻るにはまだまだ時間がかかると思うけど、来年も再来年も、そしてその先も、
七夕まつりとかこの定禅寺ストリートジャズフェスティバルとかのイベントが続けいけたらいいなぁ〜
と思うので、そのためにも良かったら皆さん、募金をお願いします」
う〜ん、いいMCだ。
そう、このイベントは募金で成り立っているのだ。
(もちろん出演バンドの参加料や一般企業の広告料もあるのだろうが)
そして、オレも毎年、出演前に募金してます。
演奏がうまくいくよう願をかけて。(←お賽銭じゃないっつーの!笑)
そのご利益を受け、いいパフォーマンスが出来たLips!の皆さんを紹介します。(笑)
ボーカル:mey嬢
震災の時は、その日から勤め始めた勤務先が破壊され、危うくエスカレータの下敷きになりかけた人。
命からがら逃げ出し、新しく買ったコートはその後しばらく立ち入り禁止になった勤務先のロッカーの中。
そして、彼女は勤務時間、わずか数時間で職を失った・・・。
ベース担当:KUBO−chan
実家が津波の被害に合い、毎週後片付けに通い続けた人。ホントご苦労さまでした。
しかし、自身の新居は海の近くにありながら被害ゼロ?
まさに、「奇跡の人」
ギター担当:ken
震災後、会社から自宅まで延々と歩きながら家族の安否を心配しつつも
ギターの安否を一番心配していた人。(笑)
そして、その後、一ヶ月間ガスが復旧せず風呂に入れないので、温泉巡りをしていた人。
ドラム担当:tk
東京在住のため、震災の夜は津波のニュースを見ながら、美味しそうに
風呂上りのビールを飲んでいた人。(笑)
しかし、単身赴任のため、仙台にいる家族の心配はしていたらしい。
みんな、それぞれいろいろあったが、こうしてまたバンド活動が出来ていることに感謝。
我々の定番バラード、「ありあまる富」。
今年は例年より1.5曲多い8.5曲なので思う存分楽しみました。
※0.5曲は、メンバー紹介のテーマ。(笑)
ラスト!
大勢の皆さんの暖かい拍手でライブは無事終了。
今年はあの忌まわしい東日本大震災があったので、このイベントも中止になると思っていたし、
KUBO−chanも実家が津波の被害に合っていたので今年は出演は無理かと思っていた。
恐らく沿岸部では亡くなったアマチュアミュージシャンもいただろうし、楽器を津波で流された人もいたと思う。
そんな中、今年もこうやって最大の楽しみであるこの定禅寺ストリートジャズフェスティバルに出演できたことは
本当に幸せだなぁ〜と思います。
開催に向け頑張ってくれた実行委員会の皆さん、ボランティアの皆さん、朝早い時間に観に来てくれた身内の皆さん、
そして、初めて我々の音楽を聴いてくれた皆さん、本当にありがとございました。
-------------------------------------------------------------
Written by サイト管理人
photo by Lips!応援団