1) 給湯器が壊れる(その1)
冬のあるとき風呂が沸かなくなった。お湯が出てこないのである。
すぐに工事業者に電話する。すぐやってきてくれたが、”調べても分かりません、給湯器の業者を呼びます”との判断。
翌日やってきた業者は時間をかけて調べ、”循環ポンプの故障らしい、交換しますが部品の入手に2日かかります”。 客が来るのでと急いでもらって2日後交換。
その間お湯が出ないので、凍りつくような水での食器洗いはきつかったと妻から責められた。
この部品の交換は大変だ。本体の左下にあるのだが、かなりの配管を取りはずさねば手が届かない。
修理屋さんは雪の上に何本もの配管と配線を並べて作業していた。
循環ポンプとは風呂の追い炊き機能に使う部品、風呂の湯をボイラーに導くポンプである。
寒い地域には風呂の追い炊き機能は大変に助かる、暖かい風呂はホッとするのだが、このポンプは他の機能にも使っているのだ。
外気温が零下になったとき、ボイラー内で凍らないよう風呂の水を循環させている。
従って風呂の水は常に張っていなければならないそうだ。面倒なことではある。
まずこのことを知らなかった。風呂の水は毎日落としていたのだ。
循環ポンプは零下になると懸命に作動したが、水が無いから無負荷状態でやがて壊れてしまったという。もう少し正確に言えば、零下になるとポンプは作動するが水が無いことを検知して1〜2分で止まる、これを繰り返すらしい。
寒冷地では良く知られた事実らしいが、工事業者の作ったマニアルには書かれていない。
メーカのマニアルには水がある場合と無い場合の動作説明があって、”水が無いと大きな音が出ます”と書かれている。
”常に風呂の水を張っておくこと、そうしないと壊れます”とはっきり書くのが親切というもの。
修理業者にそれを正すと”メーカのマニアルは分かりにくいのです”。
分かりにくいのではなく”間違い”だと思うが。
さらに修理業者曰く、”寒冷地で全自動湯沸かし器を使うのは無理ですよ”。 そんなの買う前に言ってよ!!
2) 給湯器が壊れる(その2)
循環ポンプを交換して2年後の2007年2月、また不調になった。大きな音が出るのすぐに循環ポンプと判断した。
今度は要領もわかったので直接給湯器の修理業者に電話、循環ポンプを発注してもらった。
実際の交換作業は1ヶ月後の3月9日。
2度も壊れるのはなぜか? しつこく調べてもらったら思いもしないことが分かった。
水抜きして主ブレーカを落としても給湯器の電源が入っており、給湯器は冬中零下になると循環ポンプを作動させていたのだ。
これが正規の仕様なのか、電気屋さんが冷蔵庫と同じ常時通電してる配線に給湯器を接続していた。
家の電気配線図は無いし、工事業者の作った水抜きマニアルにも給湯器の電源コンセントを抜く記述はないので気が付かない。但し、メーカのマニアルには最後に電源コンセントを抜くと書いてあるから、これは実行しないほうが悪い。
主ブレーカを落としたら切れるようにする方が良いのか分からないが、我が家の場合、水抜き後給湯器の電源コンセントを抜かなければならない。
その後工事業者の水抜きマニアルと給湯器の水抜きマニアルを結合させ、我が家専用水抜きマニアルを作り、今はそれを忠実に守っている。
この修理に際しては、さらに新たな悲しいトラブルを生んでしまった。
修理業者が予定時間を大幅に遅れ(もちろん電話はあったが)夕方にやってきた。
その間に、電源を入れていなかった給湯器が凍結してしまい、他の部品がパンクし交換する羽目になってしまった。
注湯電磁弁と水位センサーも交換して合計33,000円の出費である。
遅れるとの電話の時、給湯器をどうしておくのか聞いておくべきだった。
さらに水位センサーはその年末から凍結破損を繰り返す状態になり困っている。
詳細は次章で。
3) 機器はフェイルセーフであって欲しい
何度も壊したから言うわけでないが、循環ポンプの機能についていささか疑問がある。
循環ポンプが無負荷で破損するなら、無負荷の状態(この場合は循環ポンプ内に水が無いこと)を検知して循環ポンプの動作を止めるのが機器側の安全対策だと思う。循環ポンプの動作はマイコンで制御されているのだから、この機能はそんなに難しくないのでは?
即ち、
@ 風呂桶に水があるときは循環ポンプが動作する。
A 風呂桶に水が無いときは循環ポンプが動作し、ポンプ内の水を排出したあと止める。
B 循環ポンプに水が無い時は動作しない。
水抜きをしていようが風呂に水がなかろうが、電源が入っていようがいまいが、機器側は壊れないように防御するのが設計の基本ではないだろうか?
”水を入れて”とか”電源コンセントを抜いて”とか利用者に負担をかけるのは、基本が間違っていると思う。
家庭で使用される機器は、機器に対して知識の無い素人が動かすのであるから、使用状態をあらかじめ予測してそれに対して機器が壊れないように、いろいろ考えて対策されていると思う。
厳寒という自然相手の難しい技術であるが、もう少し機器を成熟させてくれたら使用者は安心するのである。
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