２００６年３月1３日
毎年定期的にやってくる友人が馬籠・妻籠を観光して山小屋に泊まった。
夜、飲みながら様子を聞いていたら、私がまだ行ったことが無いと知って、こんなに近くに居てあの有名な観光地に行った事がないの？と唖然としていた。
考えてみると、山小屋を作って５年目、毎月１回はやってきても、大工さんになったり、植木屋さんをやったり、宿泊客をもてなす民宿のおやじだったりで、信州の有名観光地にはどこにも出かけていないのだ。
そこで今年から積極的に出かけることにした。
まずはその馬籠・妻籠。
昨年の秋だったか、伊那と木曽を結ぶ難所の権兵衛街道に高規格のトンネルが完成して行き来が容易になったとＴＶで報道され、１度行ってみたいと思っていた。
そこでルートを、原村 → 高遠 → 奈良井宿 → 妻籠 → 馬籠 と有名宿場を巡り、中央高速で帰ることにした。
3月13日、前夜の雪でかちかちに凍った車を融かし、アイスバーンになった坂道に砂をまいて脱出していたら、予定より30分遅れ8：30出発、林間の凍った道を恐る恐る走る。街中に出れば雪は無く原村茅野と通過して杖突峠のドライブインで一休み。ここは八ケ岳と諏訪湖の展望が良いのだがドライブインは冬季休業中、展望台には出られなかったが冬の諏訪湖をパチリ。
高遠から権兵衛街道を伊那市に向かう。
飯田線の踏み切りを越えたあとで道路が狭くなり道を間違える。街中の道は分かりにくい。
中央高速道を越えると新しく整備された快適な道になり、山あいの登りになる。遙かな山の中腹には旧道とおぼしき道路がくねくねと走っている。冬季は閉鎖になるようだが林道程度の道路を使っていたのだろう。
高規格道路と宣伝するだけあってこの道路はさすがにすばらしい。長い権兵衛トンネルも快適に通過して２つの短いトンネルを抜けると標識に従って奈良井に右折する。奈良井湖の縁をくねくねと走るが、樹間から見下ろす湖は凍っている。奈良井ダムはめずらしいロックダム、コンクリートでなく石を積み上げたダムだ。
奈良井宿のある楢川村は木曽漆器の町、街中はみな漆器店。全国に出荷するのだろうが、これだけの数の店が集中していてよく商売していけると感心する。お店には入りにくいので道の駅「木曽ならかわ」に車を止めて大休止、10：50。
ここには漆器の展示館「木曽くらしの工芸館」が併設されていて見学。汁椀を買いたかったが、同じようなものは家にあるよと妻からブレーキがかかって断念。
展示してあった長野オリンピックの金メダル製作過程を見て奈良井宿へ急ぐ。
国道19号（中山道）に出てふと気がついた。奈良井川は北に向かって流れている、あれ？変だ反対じゃない？。木曽川に合流して太平洋に流れるのじゃないの？ 地図を調べたら何と奈良井川は塩尻、松本に北上し、梓川と合流して犀川になり、長野市で千曲川に合流するのだ。延々日本海にそそぐのだ。
更に面白いことに、日本海に流れる奈良井川と太平洋に流れる木曽川は狭い鳥居峠を挟んで北と南に流れている。
地図を見ながら旅をすると新しい発見があるので楽しい。
さてもう12時、昼食は何にしよう。
お蕎麦のお店は19号沿いにあるが、いつもと変わりばえしないと探しているいるうちに寝覚の床に着いてしまった。
12：20、出発してから120ｋｍ。河原まで降りて岩を浸食した水の造形美に感心、しかし寒い、写真を撮って早々に立ち去る。
道に時々ある気温表示は-2〜1℃、日が照っているのでそんなに感じないが今日は寒いのだ。
倉本でさぬき手打ちうどんの店を発見、寒いから温かいうどんにしよう。時間はもう1：20、遅い昼食なのでお店はすいていた。
私はてんぷらうどん、妻は釜あげうどん、おいしかった、当たり。
目的の妻籠到着はすでに2：20、148ｋｍ。駐車料金500円を払って宿場町を歩く。晴れているが風が強い。
観光バスのお客がぞろぞろ歩いている。ここは昔のままの作りを大切に保存している印象。
端から端まで写真を撮りながら往復したら1時間近くかかってしまった。
となりの馬籠までは9ｋｍ、山間の狭い曲がりくねった道を走って峠を越えるとすぐだ。
しかし昔の旅人にはこの峠越えは大変だったことだろう。今でも昔の道はあると聞くがわれらは車で走ってしまった。
馬籠宿は坂道に出来た宿場、夜明け前の舞台である。
一番高い駐車場に車を止める。ここは無料でありがたい。
坂道を歩いている人は少ない。数組の観光客だけだ。南向きの石畳は暖かい。
藤村の生家は記念館になっていた。向かいのお店で入場券を買って入るらしいが、工事中なので遠慮した。
ここの家並みは妻籠と比べるとどこも小ぎれい、作り変えたのだろうか。
お客の居ない茶店に入ってコーヒーで一休み。
1時間後馬籠を後にして後は一路帰るだけ。
4：56 中津川ＩＣで中央高速に乗る。ここまでが一般道、171ｋｍ走った。
途中、駒ケ岳ＳＡと諏訪ＳＡで休憩して7：10帰宅、1日の走行距離312ｋｍでした。