
2007年5月21日
良い天気である。高気圧に覆われてしばらく安定した晴れが続くようだ。
こんな日にはどこかへ出かけなくては! 妻は長野の鬼無里まで行きたいと言うが、朝早く出ないと日帰りは苦しいかな?
ちょっと億劫、それに5月では水芭蕉もまだ早いのではないの?
見晴らしの利きそうな日はやはり高いところだろう。
楽なことを考えて近くを選択、お決まりだがビーナスラインを霧が峰までドライブすることにした。
エコーラインが299号線メルヘン街道まで開通したと聞いたので走ってみたかったこともある。
上里からエコーラインを走りると、後ろに南アルプスの甲斐駒岳、右手に長く伸びた八ケ岳連峰、前方には霧が峰高原のなだらかな山並みが近づく。
落葉松林を抜け、土手に赤白と芝桜が咲く田畑の中を走り、大きな橋を2つ渡るとメルヘン街道にぶつかる。
快適な良い道路だ。1本道だから街中をくにゃくにゃ走る従来の17号線より大分近く感じる。
左に曲がり、消防署のある次の信号を右折すると慣れた道、狭い家並みの中に来れば芹が沢、左折してビーナスラインに突き当たる。
霧が峰へはビーナスラインを立体交差で越え大門街道を行く。しばらく走って山登りすれば程なく白樺湖、観光地だが週日だから静かなものだ。
大門峠を左折して霧が峰へ向かうビーナスラインは樹木のない山腹を走るすがすがしい高原道路、こんな晴れた日には最高のドライブが出来る。
白樺湖と蓼科山のたたずまいが美しい。まだ木の葉が出ていないので別荘が点々と見える。
やや逆光に煙っているが長く連なる八ケ岳とその向こうに富士山、右に目を移すと南アルプスの甲斐駒ケ岳、北岳が空に浮かんでいる。
車山肩の駐車場に車を止める。この一帯は7月中旬にニッコウキスゲのお花畑になり、休日は多くの観光客で賑わうところだ。
ドライブインの後ろの丘に登ってみる。遠く八島湿原の周りには霧が峰の外輪山がなだらかに連なり、その上に雪をいただいた北アルプスが望める。
北アルプスを始め乗鞍岳、御岳山、木曽駒ケ岳、南アルプスが一望できる私の好きな場所である。
高い山々はまだ雪をいただき、霧が峰の草原はまだ芽吹いていないが、コロボックルの茶店の下のコバイケイソウだけが濃い緑の葉を出していた。
ニッコウキスゲに先駆けて6月には花を付ける高山植物である。
まだ時間は早いので久しぶりに車山まで登ってみることにした。
石だらけの登山道を30分、雲1つない空に浮かぶ山々を眺めながらゆっくり登る。
春霞がわずかにかかって、くっきりした写真を撮るにはやや不満であるが、すべての山が一望できるのである。
頂上ではリフトを使ったお客さんと一緒になる。皆さん町歩きの足ごしらえだが通路がしっかり作られているので何も問題ない。
レーダードームまで来て一休み、このレーダーは富士山のレーダーが廃止されたあと、唯一の気象レーダーだそうだ。
天気予報は気象衛星が主役になってしまったが、集中豪雨など地域的な予測にはこのレーダーが力を発揮しているのだろう。
快晴のもと、山頂からの眺めはすばらしい。車山は周囲にさえぎる山がないので360度見渡せるのである。
北アルプスは穂高連峰、槍ヶ岳、常念岳がはっきり見える。ぐるっと左に目を移すと順に乗鞍、御岳、木曽駒から南アルプスの甲斐駒ケ岳まで見渡せる。
ピラミッド型の甲斐駒ケ岳の右に、同じように尖った3角の峰を伸ばしているのは北岳、富士山に次ぐ第二の高峰である。
さらに左には甲府盆地の上に聳える富士山、八ケ岳連峰、ずっと北には浅間山と妙高山など、久しぶりに豪快な山々を見ることが出来た。