今回と次回は「素晴らしき出会い」ってことで“遭遇の喜び”についての特集です。
僕たちダイバーの世界で時々聞かれる「レアモノ見たさ」という言葉。でもこの言葉の本音の部分が意味するものは
・珍しいから・・・見たいもの、 ではなくて
初めて彼女(?)を図鑑や雑誌の紹介記事で見初めた時に、
・形状の面白さが自分の脳組織を刺激するから
・色彩の微妙な美しさがたまらないから
・かもし出される雰囲気が得もいわず可愛いから 等
の思いを抱いたから。加えて、そういった生物の場合、
・そもそも個体数が少ない
・生息環境が特異
等の条件が加味されて、なかなか出会うことができず、「思い」がどんどん醸成されていって、かくして「レアモノ見たさ」は完成する。結局、何がいいたいかっていうと、単に「プレミア」だけを求めてるんじゃないよってことなんだよね。でも逆に生息環境があまりに特異だったり(つまり、これをクリアするためにはかなりダイビングの技術や経験をつんだり、何回も海外に足を運ぶことも必要になってくる)、必ずしも「そこ」にいけば出会えるとは限らない種類のものもいたりして、特に後者の場合は、大物に出合うのと同じく、「運の良さ」とか「引きの強さ」に依存してるわけで、まあ、こういうのって多少自慢したくなるもの人間の心情からすれば、全くもって普通のことではないかと思う。(ね)
そんでもって今回は「コンシボリガイ(グリーンタイプ)」。「泥の館」のギャラリーには「ウミウシカテゴリー」はまだないし、内湾・砂泥系でもないのだけど、慶良間のとあるポイントでガイドさんに教えてもらった時、文句なしに飛び上がるほど嬉しかった。
ウミウシの色調はデザイナーが参考にしているくらいだから余程のものなんだけど、彼女(?)の微妙なグラデーション、貝殻(シェル)の曲線の美しさは群を抜いてると思う。加えて、「XXに潜れば必ず会える」系統ではない。かなりの偶然性をもって遭遇できるのである。この出会い、喜ばずして・・・って感じでしょ。それにしても本当に天女の如き美しさ。
因みに、この時の沖縄ではコンシボリガイだけでなく、Janolus sp.(トゲトゲウミウシ)やCyerce sp.(ハナビラウミウシ)にも出合うことができた。まさに桃源郷のような「ウミウシパラダイス」、Okinawaでした。
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