My Fish Library (第3回 2002 / 10

Blue-barred Ribbon-Goby
(Oxymetopon cyanoctenosum)

邂逅 U

   たかがダイビングかもしれない。だけど、何年も恋焦がれてきた相手にようやく巡り会うことができて、更に彼らが大群で乱舞する様を目の当たりにすることができたとしたら、少しくらい感動の涙を流したって恥ずかしいことなんてないと思う。
 もう6年近く前、バリ島のサヌールにあるDive & Dive'sで買った白い表紙の図鑑で見かけたのが最初の出会い。赤と青の激しいコントラストの体色と、ややもするとリュウグウノツカイを思わせるような深海魚(当時はそう感じたんです)風の体型・・・。あまりに衝撃的な第一印象をだったけど、ダイビングポイントでみられるような魚などではないと思った。そう、「白い表紙の図鑑」っていうのは絶版になった今でも「白ク−ター」の名前で親しまれている「Tropical reef-fishes of the western pacific INDONESIA AND ADJACENT WATERS (Rudie H. Kuiter著)」だったんですけどね。
 それから、いろいろなところのカリスマガイドと呼ばれる人達から、彼らの話を聞くにつれ、ポイントによっては生態観察が可能な生物であることがわかってきた。とはいえ見ることのできるポイントは非常に限られていて、それも超ストロングな泥地であること、深さは多少バリエーションがあるけど、どちらかというとかなり深めであることが多いこと、おまけに極めて警戒心が強く写真をとるには難度の高い被写体であること等等。
 
 

 そしてようやく出合うことができた。
 本当にアメイジングなDivingだったと思う。最初は1、2匹。それがどんどん増えてくる。そしてそのうち彼等がこぞって水底から数mの高さまでホバーリングするという感動的なシーンを目にすることができた。三保でザ・アカタチの妖艶の舞を見たときも心臓がばくばくしてジーンときた。この時も同じ。
 ごめんなさい。エリアもポイントも公開しません。本当に大切にしたいんです。写真だけではマッドポイントでしか味わうことのできない感動を伝えることができないかもしれませんが・・・。

ようこそ、「泥の館」へ。
Blue-barred Ribbon-Goby 様

(因みに左は、Sail-fin Ribbon-Goby。鰭が開いてないのでわかんないですよね。(笑))