My Fish Library (第4回 2004 / 05

Blue Shrimp-Goby
(Myersina sp.)

泥地のBlue Jewel

 

 共生ハゼは、Galleryに出しているような泥地や汽水域に生息するものだけでなく、全般的に非常に好きな種族で、色や形、エビとのコミュニケーション、撮影の時の駆け引きなど、いまだにあきることがない。共生ハゼの種類は大所のダデハゼの仲間、イトヒキハゼの仲間、ヤツシハゼの仲間に加えて、ネジリンボウの仲間、シノビハゼの仲間などがいるが、最近、特に心惹かれているのが「ハゴロモハゼ」の仲間である。主なものとしてハゴロモハゼやクロオビハゼがあたるが、三保や土肥でみかけられる、通称:アイアンゴビーや、ボルネオのマングローブやバリで見かけられるブラックマスト・シュリンプゴビー、それから今回紹介するブルーシュリンプゴビーもこの仲間ではないかとされている。
 クロオビハゼを除いては小型種が多く、基本的にホバリングしていることが多い。警戒心もそこそこ強いものが多いのではないかと思う。(ハゴロモハゼの婚姻色はかならずしもそうではないけれど)どちらかというと「いぶし銀」のような美しさをもった種類が多く、ボルケーノシュリンプゴビーやメタリックとは異なり、なんとなくクールで通好みなところが格好いいのである。
 さて、今回紹介するブルーシュリンプゴビー。またネーミングが格好いいと思いませんか?シンプルだけど、逆にそれが美しいものに対してのみ与えられるプライオリティを感じてしまう名前だと思う。ところが、このブルーシュリンプゴビーも実は何種類かいるらしい。右の個体はこれまでに一番多く見かけたタイプで背鰭がとがったもの。Galleryに掲載したチビハゼはこのタイプ。クーターの図鑑にでているブルーシュリンプゴビーは背鰭が大きく割れていて、ゴーストっぽく見える。一番の近似種であるアイアンゴビーが一部ではゴーストシュリンプゴビーと呼ばれているのも納得、である。下の写真の個体がそうであるが(写真の出来が悪くて申し訳ないが)、背鰭がわれているのはどうもオスらしく、非常に写真には撮りづらい。

 
 

背鰭のとがったタイプはこの下のタイプの若い時の姿ではないかともいわれているが、なんともよくわからないところだ。また、一番上の個体、こいつは形が少しずんぐりしていて、また違う種類ではないかとも思える。背鰭の割れたタイプのメスではないかとも思えて悩んでしまう。更に殿塚さんの大図鑑にはガードルド・ブルーシュリンプゴビーという別の種類が掲載されていて、一番上の個体はこれに形が近いように思えた。しかし、ガードルド・ブルーシュリンプゴビーは体の真ん中に一本の黒くて細い横じまがある。まあ、学者ではないのであまりこのての話ばかりしても仕方がないが、分類についてはこの辺で終らせるとして、ここに紹介したブルーシュリンプゴビーは全てバリ北部エリアで撮影したものだ。最近、Dive&Dive'sがPJをオープンさせたが、これ以外にも濃密なポイントが目白押しな地域である。Galleryのアカタチの一種を見つけたのもこのエリア。素人にも関わらず未記載種を推理するのはRPG的楽しさがある。これもポイントのCapabilityに依存していると思うけれど。
 いずれにせよ、ブルーシュリンプゴビーの美しさは事細かに言葉で四の五のいう必要はないが、背鰭のわれたオスの写真がきちんととれていないのがなんとも悔しいところ。多分、GETできるまでバリに通いつづけるんだろうなと思う。当然、バリの魅力はこれだけではないのだけれど、やりくりして休みをとって、マンツーで潜れる様にサービスにお願いして、お金も結構使って・・・。でも自分にとってはそれだけの魅力を持った魚なのである。