My Fish Library (第14回 2007 / 05

Mysterious Gobies in Bali
〜魔界の海の謎のハゼ達〜

 

 またまた、お久しぶりの更新となってしまったこのコーナー。今回は2006年12月に訪れたバリにて出会った怪しいハゼたちを特集したい。
 ということで、トップの写真。これ、何なのかわかる人がいればぜひ教えていただけないでしょうか。水深は−30m付近。前にオニツノハゼや泥の穴に棲むベニハゼ(これもベニハゼとは断定されていないようですが・・・)を撮影したポイントなので、かなりシルティーなマッドポイントで見つけました。最初はサルハゼ(イレズミかな?)とも思ったんですが、顔の形が全然違うような気がします。1枚撮影しただけで泥に潜ってしまい、水深も水深だったのでその場を離れてしまったのですが・・・。属名もなんなのか・・・。全くもって謎のハゼなんです。

 

 続いては左の写真のこいつです。これは最初のハゼと同じダイビングで発見しました。なので、これも水深−30m付近。どろどろの地帯です。
多分、カスリハゼの黄化個体ではないかと思っているのですが、体側の横じまがちょっと怪しさをかもしだしています。カスリハゼをよくみかける水深からするとかなり深いのですが、同じポイントで前に大型のカスリハゼを見かけたことがあります。(「日本のハゼ」によるとカスリハゼのの生息水深は−20mまでとなっていることはなってるんですが・・・)
  このポイント深場は、他にもタイニーダートゴビー(白砂の環境にいる個体よりも全然大きいし、色合いもピンクががっています。)や、アイバーコーラルゴビー(スケロクウミタケハゼに似ているウミショウブハゼの仲間)など、変わり者には事欠かないシークレット・プレイスだ。

   

 さて、次は下の写真。同じポイントの傾斜が急になるあたり、水深は−10mくらいのところで撮影した。ヤツシハゼ属の一種4(旧ヤジリハゼ)と思ったけど、なんとなくずんぐりしていて雰囲気が違うと思った。写真を良く見ると体側に数本の横縞が入っている。これはどうも本家ヤジリハゼではないかと思うんだけど。旧ヤジリハゼは内湾の泥っぽいところにいくと大体見られるのだけど、本家ヤジリハゼはまだ見たことがない。(ように思う。)

   

 ちなみに、近くにはイトヒキハゼ属の一種1の黄化個体がいた。奄美大島のとあるポイントの深場で、黄化個体を何匹か見たことがあるが、幼魚のステージだった。これは成魚にはなっていないが幼魚のステージは過ぎている感じ。大きさも5cmくらいはあったと思う。このあたりにはダスキー・スリーパーなどもいるんだけど、下であんまり減圧を出しすぎると、楽しむ時間が少なくなって、いつも欲求不満になってしまう。

   
   

 そして、最後はトランバンの深場で出会ったバリ仕様のヤノスソビキハゼだ。トランバンのメタリックが他のポイントでみられる個体と違って極彩色なのは何度もこのHPで書いているが、他のハゼも同様。ただ、このヤノスソビキハゼはかなり大型の個体で10cmを超えていたのではないかと思う。なので最初はこれまた特ダネかと思って、心臓をバクバクさせながら、-○0mですりすりしていったのだが、後でみるとそこまでのレアネタではなかった。ただ、相当な極彩色で、日本などで見られる個体とは全く別の種類かと思うほどだ。
 そんなこんなでいつまでたってもレアモノ発見には事欠かない。インドネシアはやっぱり凄いな・・・と思う。