My Fish Library (第15回 2009 / 05 ) Spotted Hand Fish |
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本当にこの星の生き物なのかなって思ってしまう。 |
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2008 Fish of The Year 2008年もいろいろ素晴らしい出会いがあった。その中でも、沖縄本島で見たオイランハゼの飛翔(ディスプレイ)は10数年これを追いかけてきた自分としては感激的なものだった。手持ちのレンズが長めのしかなくて、まだ満足には至らない出来ではあるけど、写真以上に、2時間のダイビング中、ずっと飛翔を繰り返し、他のオスと喧嘩していたあのオスは素晴らしいパフォーマーだった。案内してくれたSPITZの世古さん自身もランキング一位にしていたのはコメントを挟む余地がない。 |
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「第4形態(全開フォーム)」。かなり派手派手しい感じになる。 |
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出会い 他のレア種もそうだったけど、ハンドフィッシュとの出会いも最初はもしかしたら、アクアリスト向け雑誌だったかもしれない。深海も含め、ダイビング雑誌とは桁の違う海洋カバー率でレア種を紹介してくれる。それから、ネットでTasmaniaのダイビングを知り、そこにしか生息していないということを知った。Austrariaの中でもかなりはずれでTasmaniaそのものが貴重性も高いし、これは行ってみたいと思い、はるかなる南への旅に身をまかせることになった。 |
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現地のサービスからは、繁忙期ということもあって、ハンドフィッシュのいるポイントへのガイドができないので、セルフで行ってほしいといわれた。正直はじめて潜るエリアだし、いくら「珍種はいるところにはいる」とは言われても、そんなに簡単には見つからないだろうから、まあ会えなくてもしかたないな、と思っていた。 |
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「第2形態」(笑) 少し、背鰭が開いてくるが、後ろのほうは閉じたまま。 |
これが「第1形態」 第2背鰭は全部閉じられていてニョロンとした感じ。 |
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ハンドフィッシュの秘密 写真を見ればわかるように、彼らは砂地に棲んでいる。ポイントはかなり沖までいっても10mを超えることはない。砂は、さらさらという感じではなく、ちょっと泥が混ざっている感じなので、あんまり暴れるとモワモワしてしまう。水温は真夏の12月でも14℃ということだから、長時間潜るのは結構辛いが、砂地にポテッといるので、見つけるのもそんなに苦労した印象はしなかった。 |
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で、彼らの「問題」とは、「いるところにはいる」のだけれど、相当な程度に絶滅に瀕している、ということであった。そもそもかなり限定的な地域(Tasmaniaのあるエリアのみ)にも関わらず、ここに産み付けられた彼らの卵を食する外敵(ヒトデ、とのことだが)が侵入(つまり、貨物船に乗ってきた)し、一網打尽的に生存の危機が脅かされる状況になったということである。ガラパゴスなどでは、靴につく泥まできちんShut offされる。Australiaでも、食べ物などの持込はかなり厳密にチェックされ、閉鎖的環境としての生態系の独自性をなんとか守ろうとしている。だけど、船底のどこかにくっついて来る異世界からの外敵にまではチェックが周らなかったのだろう。 |
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こんな感じでボテッといる。 | |||||
陸上の生物はある程度まもられているんだけれど、魚類として世界的に特殊な彼らがいままさに厳しい状況にあることは、Diverとしては辛い。 |
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正面から 鰭を閉じているときはなんなく不機嫌そうな顔つきが多い。 |
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ハンドフィッシュの変身フォーム ハンドフィッシュはカエルアンコウに近い仲間のようだが、鰭の開き具合で雰囲気が大きく変わる。これは凡そ、4段階くらいに分かれるようだ。 |
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バリバリの第4形態(全開フォーム) |
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