私のメッセージ

三河の地 高浜は瓦の生産地として昔から全国的に知れ渡っています。この地で掘り出される鉄分の多い粗野な土は、瓦を作るのに大変適しており また昔はこの重い製品を運搬する方法として船が常套手段であったため、港が近くにあったこの地が瓦の生産地として発展したと言われています。瓦と言うと、どうしても工業的イメージが強く工芸とはあまり結びつかないように思われがちですが、そのような事は無く工芸作品の素材としては、決して綺麗な土とはいえませんが、土味の面白さ 素朴さを表現するのには適していると思います。土のぬくもり 味わいを感じ取ってもらえる作品作りをいろいろな方法で表現し試みております。 この地のこの土で工芸作品としての一面を作り出せたらこんなに嬉しい事はありません。
三河の土を使った仕事と同時に、もう一つの方向としてマット釉で作品を作っています。マット釉と言うとあまり聞きなれない言葉ですが、いわゆる艶を抑えた釉薬の事で、半透明 又は不透明のものを言います。艶がないと釉薬が溶けず焼きが甘いように思われがちですが、そのような事は無く完全に溶けたガラスの層の中は無数の微結晶によって光が分散して乳濁状態になっています。
私は長くこのマット釉を使い表現していますが、窯の温度や 条件の違いでその表情は変わってしまい、その素材をとらえる事は難しく試行錯誤を繰り返しております。今は白を基調とした表現をしていますが、しっとりとした白マットの魅力を何とか引き出せないものかと製作しています。



Introduction of craftsman

I was born in Takahama city.
Takahama city in Mikawa district was very famous for producing tiles.
Earth including iron was dug in this area, and it was very suitable for making them.
People didn't think that earth (including iron) was very good for arts and crafts,but using this earth I think it can express warmth and impression for simplicity of earth.
When I make pottery I take care to use Mat glaze. The works with Mat glaze press down gloss and it becomes opaque or semitransparent.
Now I am making works underlying tone of white by using Mat glaze.



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