H.M.S.Donovan

1 The Walrus And The Carpenter
2 Jabberwocky
3 The Seller Of Stars
4 Lost Time
5 The Little White Road
6 The Star
7 Coulter's Candy
8 The Road


  The Road 『みち』  by 長老                                                 .

 ハラッパヘの 僕らのちっちゃな入り口の向こう  
         丘のはるかずっと遠くまで
 白く眩しくかがやく長い道が うねうねと町まで続いているよ

         遊びに飽きたとき
 僕はときどき 垣根にもたれてのぞく
        そして そっと思う

 いつか心地よい風の吹く 夏のある日
   そのみちを 尋ねて見たいなと・・・

 鬱蒼とした 背高き木々の下につづく そのみどり豊かな小道を・・
"the grown folk pass beneath the trees that stand so straight and tall..."


9 Things To Wear
10 The Owl And The Pussycat


 ふくろうと 小猫ちゃん 「The Owl And The Pussycat」 by 長老                         .

         ある夜 ふくろうと小猫ちゃん
      きれいな エンドウ豆色の小舟で 海へと船出しました
    一緒にいくらかの蜂蜜と 沢山のお金を袋にしっかりと詰めて
  "ああ!素敵な小猫ちゃん 君は僕のすべて 君は本当に完ぺきさ!
               本当に
                君は
             完ぺきなのさ!"

       小猫ちゃんがふくろうに言いました
      "貴方も エレガントなふくろうさんだわ!
      とてもかわいいのよ その貴方の唄い方
  ねえ?私たち結婚しましょう!ずいぶんと長い間待ったのよ!
      でもね 結婚指輪がないの どうしましょう?"

  二人は 満と一年航海を続け 大きなボン・ツリーの茂る島に上陸します
   森の中 お鼻のテッペンに指輪をつけた1匹の子豚と出会いました!
               お鼻の
              テッペンに
               指輪を
             つけていました!

  "ねえブタさん その指輪 1シリングで売ってもらえないだろうかね?"
           子豚が答えます "いいとも"と
      さっそく次の日 指輪を持って 丘の上の七面鳥の媒酌で
            二人はめでたく結婚式をしました
     ご馳走は コマギレ肉のハヤシ風味に 花梨のスライス添え!
     それをタンポポ葉っぱのギザギザフォークで いただきました
            砂山の上 手と手を取り合い
          月の光に照らされて 二人はおどりました
             いつまでも いつまでも
              二人はおどりました
              月の光に照らされて

11 Homesickness
12 Fishes In Love
13 Mr. Wind
14 Wynken Blynken And Nod
15 Celia Of The Seals

                                                                                                         .
 アザラシのシーリア             by   シーホース

 ここから先 旅を続けるのなら  
 北に向かって 行くといい
 人が 踏み入ることの  
 めったに無い 土地だが

 カモメの歌う 声を追っていけば  
 やがては 西に拡がる 眩い海と
 散らばる島々が 見えてくることだろう

 地元の漁師に 掛け合って  
 それこそ 絹のような
 アザラシの子達が見える場所に  
 連れていって もらうといい
 そこでは  その子達が 語る物語を  
 聞くことが出来るだろう
 アザラシの女神 シーリアについての  
 アザラシの女神 シーリアについての
 物語の数々を

 アザラシの女神シーリアは  我が子達の想いを知る アザラシのシーリア

 ポイヤラ ノイアラ ノイアラ ポイヤラ ノイアラ ネイ 
 ポイヤラ ノイアラ ノイアラ ポイヤラ ノイアラ ネイ 

 海豹の密猟者達は  
 勇敢でも 大胆でさえもない
 女神の 幼く可哀想な命の 殺戮者だ
 彼等が剥ぎ取る毛皮は 取引されるが  
 関わったものは 呪われることだろう
 この惨劇を 正当化する理由はなく
 血塗られた岩だけを 残していく
 こういう仕打ちを行う者は 人ではない
 悲惨で 心無い行いだ
 残酷で 非情な行いだ 

 アザラシの女神シーリアは  我が子達の想いを知る アザラシのシーリア

 ポイヤラ ノイアラ ノイアラ ポイヤラ ノイアラ ネイ 
 ポイヤラ ノイアラ ノイアラ ポイヤラ ノイアラ ネイ


16 The Pee Song
17 The Voyage Of The Moon


 月の旅路を 「the voyage of the moon」 by 長老                                .

 月は小舟のよう 愛しき人よ
 波間に浮かぶ ひとひらの檸檬の皮のようで 愛しき人よ
 薄布の帆をかかげ 愛しき人よ
 彼女は わずかにためらっているよう
 その静寂の
 星屑の水面かがやく その航跡の中で

 真珠を敷きつめたような甲板が見えるでしょう 愛しき人よ
 その所々にダイヤモンドがきらりと 愛しき人よ
 真珠のマストも見えるでしょう 愛しき人よ
 貝の昔を懐かしみ
 波間にやさしく揺れている
 星屑の水面かがやく その航跡の中で

 絹で紡ぎし 愛しき人よ
 幾つもの縄は 愛しき人よ
 そのマーメイド彫られし舳先へ 愛しき人よ
 ゆるやかに流れ 絡みつき
 波間にやさしく揺れている
 星屑の水面かがやく その航跡の中で
 
 空の海原一面に 愛しき人よ
 月の舶隊たちが帆をあげて飛んでゆく 愛しき人よ
 さまざまな者たちを 愛しき人よ
 はこぶ風は ただひとつ
 星屑の光かがやく その航跡の中を 
 星屑の光かがやく その航跡の中を

 そしてその時が来る 愛しき人よ
 まさにその時 愛しき人よ
 皆誇らしげに立ち上がり 愛しき人よ
 船に乗り そして空へと滑りだす
 月の舶隊 あらゆる天空より集まれり 
 月の舶隊 あらゆる天空より集まれり

 男たちは青白き星の光を浴び 愛しき人よ
 女たちは眞白き衣をまとい 愛しき人よ
 そのすばらしき編隊は 愛しき人よ
 たがいに出会いのとき
 微笑みと やさしい歌声が響く 
 微笑みと やさしい歌声が響く

 そしてどこか遠い砂浜 愛しき人よ
 船は つぎつぎと静やかに降り立つ 愛しき人よ
 美しき人々 それぞれに出会い 愛しき人よ
 ゴールデンヘアー 風になびかせ
 その喜びの果てることなく
 その喜びの果てることなく

 月は小舟のよう 愛しき人よ
 波間に浮かぶ ひとひらの檸檬の皮のようで 愛しき人よ
 薄布の帆をかかげ 愛しき人よ
 彼女は わずかにためらっているよう・・・

18 The Unicorn
19 Lord Of The Dance
20 Little Ben
21 Can Ye Dance


 Can Ye Dance   by  ぼんちゃん                                          .

     砂浜で踊れ
   銀の月のステップを
  白鳥のリュートに合わせ
 不思議のリールを奏でよう

   銀の履物は
  跳ねる魚のよう
 夕日きらめく浜辺は
   オークの舞台

 スキップ スピン リール
    紫の帯紐みだれ
     髪も踊り
  月にとどけキッシング

     私を魅了する
      美しき瞳
        輝く
      満点の星

22 In An Old-Fashioned Picture Book


 ふるぼけた写真帳  by 長老                                        .

 ねえ ちょっと見てよ 僕と一緒に
 このふるぼけた写真帳を
 ひとりトランプをしている女の子が見えるでしょう
 砂の上 日傘をさして ちょっと横目でいる
 カフスからは甘いハーブの香り
 固く握ったその小さな手には貝殻ひとつ
 しばらくすると消えてしまう そのイメージは
 思い出という砂とともに 瓶に詰め 昨日の浜辺よりあしたへと漂うよ

 ねえ 彼女の仕草とたたずまいを見てよ
 この時代がかった懐かしさを
 昔の無声映画のように話している まるでその時のままのように
 三角ベースに夢中な 町の子供たちの元気なガナリ声
 遠くに聞こえるブラスバンドの響きをかき消す
 きょうは、だれがロバに乗るのかな?
 そして僕らの夢のあしたは 昨日の想い出とともにゴチャマゼになってくよ

 さあ日を閉じて そして耳を澄ませてよ
 この古いオルゴールから聞こえるメロディー
 ふるぼけた二頭だての馬車がガッタンギッタンと行くように
 髪の毛のその束が縺れて 小さな巻き毛となるように
 彼女は素敵な夢を紡いでいるようだね
 小さなハンカチーフの上に滲む一粒の涙
 その瞬間 はかなく揺れながら褪せていくそのイメージは
 想い出という砂とともに 瓶に詰め 昨日の浜辺よりあしたへと漂うよ 
 そして僕らの夢のあしたは 昨日の想い出とともにゴチャマゼになってくよ

 さあ 見てよ 僕と一緒に
 このふるぼけた写真帳を

23 The Song Of Wandering Aengus

                                                                                                             .
 彷徨えるインガースの歌      by  シーホース

 私は 自らの熱情の記憶に導かれ
 ハシバミの森に 踏み入った
 枝を手折り 皮を剥ぐと つり竿を仕立て
 木苺の実を 糸の先に括った

 時 数多の白い蛾が舞い飛んだが
 忽ち星のように 煌き消えていった
 私が せせらぎに木苺を落とすと
 幼い銀の鱒が 懸かったのだった

 私は 床にその鱒を横たえた
 炎を吹き起し 燃え立てようとすると
 何かが床の上で 衣擦れの音を立てた
 そして誰かが 私の名を呼ぶのであった

 するとそれは 林檎の花を髪に飾り
 朧げに光る少女に 姿を変えた
 少女は 私の名を呼びつつ走り行き
 明けてゆく空に 消え去った

 あらゆる小高い丘や 窪んだ土地を
 彷徨い続け 私は年老いてしまったが
 いつの日か 彼女の行方を知るだろう
 そして手を取り 唇に触れるのだ

 そして 日差しと日陰を縫うように 草地を歩き
 時を分かたず 私達は摘む

 月光に映える 銀の林檎と
 陽光が賜わる 金の林檎を


24 A Funny Man
25 Lord Of The Reedy River
26 Henry Martin
27 Queen Mab
28 La Moora