愛国主義教育実施綱要 (日本語訳)・・第4章までは約6000字。
1994年8月23日 中華人民共和国共産党中央委員会発表

中華民族は愛国主義の光栄ある伝統に富んだ偉大な民族である。愛国主義は中国人民を
動員し鼓舞して団結奮闘する一つの旗印であり、我が国社会歴史の前進を推進する巨大な
力であり、各民族人民の共同の精神支柱である。

現在、我が国人民は、中国の特色ある社会主義理論と党の基本路線の指導の下で、
社会主義市場経済 の発展に大いに力をいれ、富強・民主・文明という社会主義現代化国家
の建設に努力している。新たな歴史的条件のもとで、愛国主義の伝統を継承し発揚し、
民族精神を奮い立たせ、全民族の力量を凝集し、全国各民族人民を団結し、自力更生し、
苦難に満ちた事業を始めることは、中華民族の振興と奮闘のために、非常に重要な現実的
意義をもつ。

各級の党委と人民政府、関係の部門と人民団体はこの任務を必ず大変に重視し、
また、自らの任務の特徴と結びつけて積極的に愛国主義教育を繰り広げなければならない。

1.愛国主義教育の基本原則

愛国主義教育は、ケ小平 同志の築き上げた中国の特色ある社会主義理論と、
党 の基本路線を必ず指導としなければならず、社会主義現代化の建設を促進することに
必ず利益とならなければならず、改革開放 を促進することに必ず利益とならなければならず、
国家と民族の名声・尊厳・団結を守ることに必ず利益とならなければならず、祖国統一を
促進する事業に利益とならなければならない。これは新たな時代の愛国主義教育の基本的な
指導思想である。

愛国主義教育の目的を広げることは、民族精神を振興することであり、民族の凝集力を
増強することであり、民族の自尊心と誇りを樹立することであり、最も広範な愛国統一戦線を
強化発展することであり、人民群衆の愛国主義を、中国の特色ある社会主義を建設する
という偉大な事業に導くことであり、理想・道徳・文化・規律のある社会主義公民を生むこと
であり、4つの現代化を実現し、中華の共同の理想を振興して団結奮闘することである。

愛国主義教育は建設方針に重きを置くことを必ず堅持しなければならない。
ケ小平同志の愛国主義に関する一連の重要な論述に基づき、愛国主義教育の理論建設・
教材建設・制度建設・基地建設を行わなければならない。

愛国主義教育を各思想政治教育のなかで貫徹し、社会主義精神文明建設の基礎的な過程
として、我が国社会の主旋律として、確固不動で長期間たゆまなく力を入れていく。

愛国主義教育は対外開放の原則を必ず堅持しなければならない。
愛国主義は狭隘な民族主義では決してなく、我々は中華民族の優秀な成果を継承し
発揚する上に、また高度資本主義国家を含め世界各国が創造したあらゆる文明成果を
学習し吸収しなければならない。

このようにしてこそ、中国の人民は各国の人民と一緒に、世界の平和と人類の進歩に
貢献することができるのである。

愛国主義教育は必ず時代の特徴を際立たせなければならなない。
愛国主義は一つの歴史的な範疇であり、社会の発展が等しくない段階や等しくない時代には
等しくないものを内包する。

現代中国において、愛国主義と社会主義は本質的に一致しており、
中国の特色ある社会主義を建設することは新時代の愛国主義のテーマである。

ケ小平同志の指摘した「中国人民には自らの民族への自尊心があり、祖国を熱愛し、
全ての力を社会主義建設と祖国建設に貢献することを最も光栄とし、
社会主義と祖国の利益・尊厳・栄誉に損害を与えることを最も恥辱とする」、
これは我が国の現段階における愛国主義の特徴に対する最も鋭い快活である。

愛国主義と集団主義と社会主義思想は三位一体であり、
中国の特色ある社会主義を建設するという偉大な実践の中で機会あると統一する。

2.愛国主義教育の主要な内容

愛国主義教育の素材は非常に広範である。歴史から現実、物質文明から精神文明、
自然風景から物産資源までおよび、社会生活の各領域のすべてには愛国主義教育を
極めて豊富に実行する至宝が潜んでいる。

国情資料を運用することにたけなければならず、また各種の貴重な教育資料を
掘り起こすことに注意し、不断に愛国主義教育の内容を豊富にする。

中華民族の悠久な歴史の教育を行う。我が国人民の愛国主義精神は中華民族の
長い歴史過程の中で発生し発展してきた。中国歴史、特に近代史と現代史の教育を通じて、
人々に中華民族の自彊してやまず不撓不屈の発展の過程を理解させ、
我が国の各民族と人民は人類文明に対して卓越した貢献をしたことを理解させ、
我が国の歴史上の重大事件と著名な人物を理解させ、中国人民が外来からの
侵略と圧迫に反対し、
堕落した統治に反抗し民族独立と解放を勝ち取とり、
勇敢に前進し、血を浴びて奮闘した精神と業績を理解させ
中国共産党が全国人民を指導して新中国を建設するために
勇敢に戦った崇高な精神と栄光ある業績を特に理解される。

中華民族のすぐれた伝統文化教育を行わなければならない。
中華民族は、光り輝く中華文明を創造する過程で、大きな生命力のある伝統文化を形成し、
その内容は、広くて深く、哲学・社会科学・文学芸術・科学技術などの方面の業績を含む
だけでなく、崇高な民族精神・民族気骨と優良な道徳をも潜んでいた。

多くの傑出した政治家・思想家・文芸家・科学者・教育者・軍事者を育んだだけでなく、
かつ豊富な文物史跡・経典著作などを残しており、この豊かな文化遺産は愛国主義教育を
行う際貴重な資源となる。祖国の言語や文字を正確に使用しなければならず、強力に
普通話を普及しなければならない。

党の基本路線と社会主義現代化建設の達成に関する教育を行う。
党の基本路線と我が国社会主義建設の達成は、すなわち愛国主義教育の最も現実的で
生き生きとした教材である。

党十一期三中全会 以来の改革開放と現代化建設という巨大な業績と成功の経験に
特に注意して教育を行い、人民大衆に一層社会主義への信念を堅くし、
党の基本路線を堅持して動揺しないようにさせなければならない。

中国の国情教育を行わなければならない。国情教育は世界環境全体という大きな背景の
下で行わなければならない。

人々が、系統的に我が国の経済・政治・軍事・外交および社会・文化・人口・資源などの
方面に関する歴史と現状を理解するするのを助け、我が国の現代化建設の目標と段取りや
壮大な見通しを理解させ、かつ中国と世界の他の種類を異にする国家との対比のなかで、
我が国の優位と隔たり、優位な条件と不利や要素を見て、使命感と社会への責任感を
増強し、刻苦奮闘し勤勉節約という建国の創業精神を更に発揚する。

国情教育は省情・市情・県情教育と結びついて行われなければならない。

社会主義の民主と法制の教育を行わなければならない。
我が国憲法と法律は広範な人民の意志と利益を体言するものであり、
広範で深く掘り下げた民主と法制の教育を通じて、人々が我が国の政治制度・経済制度・
その他各制度を理解するのを助けなければならない。

国家観念と国家の主人公としての責任感を増強し、法を遵守する習慣を養い、
憲法と法律が規定する公民の権利を正確な行使と同時に、憲法と法律が規定する
公民の義務を忠実に履行し、国家の利益を断固として守る。

国防教育と国家安全教育を行わなければならない。新時代の特徴に基づいて、
現代国防教育を重視し、全国人民の国防意識と国家安全意識を増強し、
軍政と軍民の団結を強化し、全国人民に外敵の侵略に抵抗し、祖国の独立を防衛し、
国家主権と領土保全を守る自覚を強化する。全国人民に祖国の利益を売り渡し、
祖国の尊厳を損害し、国家の安全を危険にし、祖国を分裂される言動一切に対して、
断固とした闘争を行うよう教育する。

民族団結の教育を行わなければならない。中華民族は一つの多民族の大家庭であり、
内地であろうが、辺境であろうが、漢民族の地区であろうが、少数民族の地区であろうが、
マルクス主義の民族観と宗教、それに党の民族政策と宗教政策の教育を強化して、
各民族人民に、民族団結と祖国の統一を守るためにたゆまぬ努力と歴史的な貢献を
するように宣伝する。各民族人民のなかで、漢民族は少数民族と離れならず、
少数民族は漢民族と離れられないという思想を強固にし、民族の団結と祖国の統一を
守ることを自覚する。

「和平統一、一国両制」方針の教育を行わなければならない。党と政府の祖国統一問題に
おける基本的な立場と方針政策を全面的で正確に宣伝し、人々に祖国統一の作業の
進展状況と重点を理解させる。ホンコン、マカオ、台湾の同胞による祖国統一のため
貢献を宣伝することに注意し、国外の華僑や海外から帰国した人々の愛国・愛郷の業績を
宣伝する。





3.愛国主義教育の重点は青少年(文化大革命終了後に生まれた世代)

愛国主義教育は人民全体への教育であるが、その重点は広範な青少年である。
学校・部隊・農村・街道・機関や企業の単位 、特に共青団 や少先隊(少年先鋒隊)などの
組織は、広範な青少年の愛国主義の感情を養成し、彼らの愛国主義の自覚を高め
彼らが正確な理想・信念・人生観・価値観を樹立するように導くことは思想政治教育の
重要な内容である。

当面と以後の時期において、党の基本路線の教育、中国近代史・現代史や国情の教育、
中華民族の伝統美徳と優秀伝統文化教育に重点を置く。

学校は青少年に教育を行う重要な場所であり、幼稚園から大学に到教育、つまり教育の
全過程で愛国主義教育を貫かねばならず、特に教室での教育に主な経路を発揮
しなければならない。

各省・自治区・直轄市の教育部門は国家教育委員会が公布した『小中学校で中国
近現代史と国情教育を強化する綱要 』と、『中学思想政治、小中学国語、歴史 、地理学科
教育綱要』の要求に基づき、各学科(自然科学を含む)で愛国主義教育の学科ごとの計画を
制定し、愛国主義教育の内容を分解して、関係する学科の教科教育に貫徹させる。

各種大学も積極的に条件をつくりだし、中国歴史や文学、美術、科学技術などの内容の
伝統文化の選択科目を開設し、愛国主義教育を主要な内容とする特定テーマ講座
開設する。

機関・企業・農村など基層単位は、社会主義「四有」新人を育成する責任を直接負い、
青年幹部・職工・農民対する愛国主義教育を特に重視・強化し、この任務を文明単位・
文明村鎮を建設する活動の重要な内容に取り入れる。

広範な青年に国家の主人公としての責任感を堅固に樹立し、個人の利益と国家の前途・
命運を結びつけ、国家・集団・個人の三者の利益関係を正確に解決し、祖国を愛し、
故郷を愛し、集団を愛し、職場を愛し、自らの職務に立脚して、国家のために大きく貢献
するように教育する。

青少年の特徴に焦点を合わせて、映画・図書・音楽・演劇・美術・物語会などを運用する
形式に注意し、広範な青少年に、豊富で生き生きとした愛国主義教材を提供する。


各地区・各部門は、中央宣伝部・国家教育委員会・広播影視部・文化部
「優秀な映画作品を運用して全国の小中学校で愛国主義教育を展開することに関する通知」
(教基[1993]17号)を真剣に貫徹実行し、またこれら優秀な映画作品を、教学や教育計画に
取り入れ、着実に放映・観覧・宣伝・教育工作を行い、たゆまなく力を入れていく。

企業などの単位や、農村、部隊も優秀な映画作品を利用して、青年職工や農民、兵士に
愛国主義教育を行わなければならない。

You Tube:危険な中国の実態

4.愛国主義教育教育基地の建設を立派にやる

各種博物館、記念館、烈士記念建造物、革命戦争の重要な戦役、戦闘記念施設、
文物保護単位、歴史旧跡、風景景勝、我が国の二つ文明(精神文明と部室文明)建設成果の
重要な建設事業に関する展示、都市と農村での先進単位は愛国主義教育を行う重要な場所
である。各級の共産党党委宣伝部は当地の党委と人民政府が提出する要求に従い、
教育行政部門や共青団組織および文化・文物・民政・園林などの部門と合同で、教育基地を
確定する。都市・農村の基層単位と共青団組織は積極的に基地を利用し教育活動を展開
する。学校はこれらの教育活動を徳育教育活動計画に取り入れなければならない。

各級の民政・文化・文物部門や各種専門博物館・記念館は1991年中央宣伝部などの部門が
共同で発布した『存分に文物を運用して愛国主義と革命伝統教育を実行することに関する
通知』を継続して貫徹実行し、青少年の参観・仰ぎ見る活動に組織して接待し、必要な支持と
援助を提供する。教育基地を参観する際の料金を決め、学校が組織して教師と生徒が参観
する際には費用を免除する。展示する単位は有効で高い素質のガイト班を形成し
養成しなければならない。

教育基地の重大な建設事業都市や農村の先進単位は、青少年に対して行う愛国主義教育を
単位の光栄ある任務として、自発的に熱烈に関連する単位と協力し、青少年が参観して学習
活動するのを組織して受け入れなければないない。

各地の自然風景や文物旧跡・名勝景勝は、人々が祖国の壮麗な山河や悠久な歴史文化に
対する熱烈な愛情の念を高ぶらせるのに十分足りることができ、この方面での優位を発揮
することに注意し、愛国主義教育は遊覧・観光の中に含まれる。

旅行景勝、自然保護区でのガイドの説明・文字による説明・宣伝材料は、
みな全て愛国主義教育の内容を含まなければならない。

各級の旅行景勝部門は特にガイドとなる人員に愛国主義宣伝の意識を樹立し、
この方面での教育と訓練を強化し、ガイド人員と旅行景勝が愛国主義教育で十分な作用を
発揮する
ことに関して特に注意しなければならない。

「万里辺境文化長廊」建設の中で文化事業建設と思想道徳建設と愛国主義教育
緊密に結び付けることに注意し、中華民族の優秀な伝統文化を発揚し、
愛国主義教育の重要な拠点と成す。

愛国主義教育基地を運用して活動を展開し、丹念に構成し、綿密に組織する。

各級の教育行政部門・共青団組織は、教育基地と業務連絡制度を作り、共同で
活動計画を研究設定する。異なる年齢層・心理上の特徴・知識水準・受け入れ能力に対する
教育に基づいて、科学的に活動内容を配置し、思想性と芸術性に注意し、努めて吸収力と
感染力に富むことを求める。

重要な祝日・記念日と結びつけて、組織して参観・仰ぎ見み・墓参りなどの活動を組織する
ことができる;特定の教育テーマと結びつけて、社会考察と社会実践活動を組織することが
できる;基地の環境を美化し設備を維持する義務労働活動を展開する;参観・仰ぎ見み・
墓参りなどの活動を結びつけて、作文の募集や演説会、特定テーマの講座、知識競争など
教育活動を組織する。各種学校は夏季・冬期休暇に基地を利用して冬季キャンプや夏季
キャンプを設立することができ、また歴史事件や烈士の事績、建設などに関することを党課や
団課、労働訓練の教材、学校の郷土教材などに組み入れることができ、思想政治教育と
課程教育に貫徹する。

5〜7は省略

関連サイト:

1.愛国教育が中国を滅ぼす−愛国教育・反日洗脳を止めよ

2.中国国民のみならず、地球も殺す中国の公害

以上