院長先生のコラム>

食中毒にご用心


最近暑い日が増えてきました。食べ物の管理は大丈夫でしょうか?
厚生省(現厚生労働省)の調べでは毎年2−3万人の患者さんが発生しているそうです。
最近の食中毒の特徴について紹介したいと思います。

最近の食中毒の特徴:

◇1.夏に限らない◇

住宅の性能が上がり、寒い季節でも室内の温度がかなり高く維持できるようになってきています。
そのせいで食中毒が夏だけのものではなくなってきています。

◇2.原因となる細菌が変わってきた◇

かつて腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、サルモネラ菌は日本で多く発生した食中毒の原因起因でした。
腸炎ビブリオ菌は魚介類に含まれ、日本人が海産物を多く摂取していたためです。
ところが近年、日本人も肉食の割合が増加するにつれてサルモネラ、カンピロバクターといった細菌による食中毒が増加しています。
また、数年前から話題になっている病原性大腸菌(O-157)なども注意すべき病原菌です。

対処の仕方: 原因菌に汚染された食物を食べてから症状が発症するまでの時間は菌の種類によって違いますが、発熱、下痢、血便、嘔吐などです。
高齢者や小さいお子さんの場合、簡単に脱水になってしまいますので要注意です。
可能な限り水分を取らせて上げてください。
それが不可能ならはやめに医療機関に受診してください。
下痢というのは毒素や病原菌を体の外に排除するための生理的な働きの一部でもあるため、薬剤を使って下痢を止めることは必ずしも治療上好ましくありません。
下痢を止めてしまうことでかえって腸内で細菌が繁殖し、症状が長引いてしまうことも考えられます。
安易に自宅にある下痢止めなど使用せず医療機関に受診されることをお勧めします。

予防のために: 冷蔵庫を過信しないようにしましょう。
低温は細菌の繁殖を遅くしますが、ゼロにするわけではありません。
また、冷蔵庫内を適正な温度に保つためドアの開閉に注意する、なかに食べ物を詰め込みすぎないなどの工夫が必要です。
調理する際には野菜類と肉類をなるべく同じ調理器具で調理しないように気をつけましょう。

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