パナール178

(ALBY vs EXTRA TECH)

アルビー ET
 前回に引き続き、アルビーとエクストラテックの比較である。キット内容はいつも通り、パーツ数が少なくシンプルなアルビーに対し、エッチング・デカール入りと豪華そうなETが対照的である。
 アルビーと言えば、1/35でも同車をインジェクションキットで出していたことが知られている。一時期35を作っていた私はこのキットを持っていたので、合わせて比較してみたところ…なんとこのキットに近い外形を持っていたのは、アルビーではなくETのキットだった!?というよりETはこのキットを参考にして作られているようだ。確かアルビーの72パナールは、HJ誌84年2月号のAFVニュースにて紹介されており、35キットよりも遥か以前の発売だと思われる。当然35キットのフィードバックがあるはずもないのだが、それよりもこのようなクオリティのミニスケレジンキットが15年以上前に存在していたことは驚きである。 側面
左側がアルビー、右側がET。御覧の通り、車高の違いが最も目に付く。全体的にアルビーが低過ぎ、ETは高過ぎのようである。特に砲塔の差は車体以上に大きいため、完成後のイメージは随分と違ったものになりそうだ。
前面 後面
前面と後面から。高さの違いがより判って頂けると思う。
モールドは、アルビーのほうが再現しているリベット数など情報量自体は多いのだが、繊細なETのモールドに比べるとややラフな感じは免れない。

上面 上面から。この写真が両者の優劣?を決定づける差を示すものである。
 まずエンジンルーバー周りの表現であるが、アルビーはいくらなんでも大袈裟すぎるようだ。またこの部分が山形に盛り上がっているのも再現されていない。
 決定的なのが砲塔の平面形である。アルビーがETに比べて前後に寸詰まりな感じになってしまっているのがわかるだろう。この辺を修正するのはかなり困難だ。
結局、ディティールアップを前提に、より「正確」な作品が作りたいと思うならETのキットを元にしたほうが良いだろう。
 一方、アルビーの長所は「作りやすさ」と「バリエーションの多さ」(キットリスト参照)なので、ディティールに拘らないコレクション派にはオススメである。













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