5.ミニスケールの楽しみ方?


 しかしここ数年でようやくAFV模型も1/144や1/48といった新しいジャンルも増えて
飛行機モデルのように色々と選択枝が増えてきました。
ここで注意しなくてはならないのは、前述の「相対的特性」に惑わされて
ミニスケール(144・48も含めて)本来の面白さ・魅力を見失ってはいけないということです。

 スケールに違いがあれど、スケールモデルである以上、
それは実物を基にして縮尺再現した模型であることに変わりはないでしょう。
素組で作り倒してコレクションしようが、考証に拘ってディティールアップしようが、
ジオラマやビネットを作ろうが、
各モデラーのスタンスの違いとスケールの違いはあまり関係無いのではないかと思います。

 ですが上記の「相対的特性」(つまり1/35を尺度においた観点から見た特性)
の影響を受けた「ミニスケールの楽しみ方」についての文章を良く目にします。例えば・・・

「お手軽モデリング・素組み推奨」
「過剰な考証・ディティールアップ不要」
「複数車両・あるいは航空機と絡めた巨大ジオラマでなければミニスケールの意味が無い」
「1/35と同じ手法で作るのはNG」

果たしてそうなんでしょうか?
どうもこうした意見を言ってる人ってミニスケールにあまり興味の無い、
1/35メインの方達が多い気がするんですよね。
これだと私の知ってる実際のミニスケモデラー達の素晴らしい作品は殆ど全て「邪道」ってことになりますが…(笑)

 もちろん上記のような楽しみ方もアリなのは言うまでもありませんし、
「実際僕はそういう考えで楽しんでるよ」ってことなら尊重される意見だとは思います。
ですが、ミニスケに興味も無い、「外野」からの声ならば我々が耳を傾ける必要は無いでしょう。
(まあ、心配しなくてもそんな人いないでしょうけど。)
ただ、こうした意見が雑誌媒体やウェブ上で、しかも比較的業界に権威のある人間によって繰り返されることは、
各ミニスケールの「自由度」や「奥深さ」を阻害し、発展の障害となる可能性も考えられます。
彼らにしてみれば1/35と同じ過ちを繰り返さないようにと言ってるつもりなんでしょうけど、
「自由度」を狭めるという点で考えると、実は「1/35ではアフターパーツ使わなきゃダメ!」って言ってるのと
逆説的になんら変わりはないように思えます。

 結局のところ、スケールの違いで「楽しみ方」を区別し、
「棲み分け」ようとする行為は意味の無いことですし、私には余計なお世話にしか思えません。
穿った見方をすると1/35の「縄張り」から排除するのが目的ではないかとさえ勘ぐってしまいます(笑)

1/35で次々と作り倒してコレクションしたって良いじゃないですか?。
1/144でディティールにこだわって超絶に作り込むのも良いじゃないですか?

 それぞれの人には感覚的な差があって、(視力の差とか住宅事情ってのもあるか)
「心地良い」と思えるサイズに個人差がある。
ただそれだけの問題に過ぎないのではないでしょうか。





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