キューベルワーゲンType82

Kubelwagen Typ 82

その1 その2 その3
ミニスケールのキューベルというと76ではフジミ・旧ニット-・アリイ(旧エーダイ)・エアフィックス、72でハセガワ・アカデミーとかなりの種類が出ている。一応スケールを「72」と決めている私はハセガワをベースとし、これにフジミとエアのパーツを流用して製作することにした(当時はアカデミーは未発売)。
その4 その5 その6
製作上のポイントをまとめてみた。
1.<シャーシ・ボディ>
基本的にはハセガワのパーツを使用。正確かどうかは別として、モールドのシャープさでは一番ではないかと思う。ただ、フェンダーの幅が足りないようなので、シャーシをフジミのフェンダー部分(何故かこちらのほうが幅広)を継ぎ接ぎして辻褄を合わせた。フロントフォークカバーやリアカバー、マフラー等は結構目立つ部分なのでプラ板で自作した。遊びとしてフェンダーにお守りの馬蹄を付けた。
2.<ドア、エンジンハッチ>
ハセガワの最大の欠点がドア部のモールド。4枚のドアは皆同じサイズのものの筈が、なぜか前後で幅が違ってモールドされている。いずれにしろドアを開けたかったのでキットのドアは全て切り飛ばしてプラ板で自作した。表の凸モールドは伸ばしランナーで、裏の凹モールドは帯状に切ったプラペーパーを隙間を空けて貼ることで表現。エンジンハッチは元々別パーツではないので、この為にもう1個のキットを潰した。但しエンジンハッチのモールドではなく、トランクルームのハッチのモールドを切りぬいて使用。もちろん裏側のモールドも加えている。
その7 その8 その9 その10
3.<インテリア及びエンジン>
エンジンはプラ板などでそれっぽく自作。現在ではアカデミーのキットについているのであまり意味の無い工作となってしまった。作った当時は一番の見せ場だと自負していたのだが・・・。前部座席・ダッシュボードは真鍮線とプラ板で自作。メーターパネル部のモールドだけエアフィックスから頂いた。
4.<バルーンタイヤ>
ハセガワとフジミは有難いことにそれぞれ違うタイプのホイールをキット化してくれている。ハセガワのほうが通常ヨーロッパで見られるタイプ。フジミの方がアフリカのバルーンタイヤでよく見られるタイプのようだ。ということでフジミのホイールパーツにエポパテで盛り付け加工したものを複製して使用した。
5.<折畳まれた幌>
キャンバス部分はエポキシパテで、幌骨部分は0.1mm厚真鍮の細切りから製作。こうした部分は製作者の個性を作品に反映できる数少ない部分だと思うので、モデラーとしては気合の入れどころだと思う。
6.<その他>
フロントウィンドウを枠ごと作り直し、バックミラー類等のステーを極細の金属線で製作。この手のソフトスキンの製作において最も「苦労対効果」の高い作業だと思う。部分的に「細さ」「薄さ」を示すことで、モデル全体が華奢であるかように見せる錯覚効果を得られるからだ。逆を言えば「太すぎ・厚すぎ」のパーツはそれ一つでモデル全体のスケール感をぶち壊す要因となり得るとも言える。

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