leIG18 その2


 以前に作った歩兵砲ですが、ミニAFVの集いにて某らんでぃ先生より「フィギュアはないの?」とツッコミを入れられましたので(笑)、改めてフィギュア付き手のひらジオラマに改装しました。
 また鈴木師匠より「ビニールフィギュアはラッカーで塗れる・瞬着で接着できる」との吉報を頂き、早速挑戦してみようという意味合いと、前回ゴリアテの更新の際にフィギュアの塗装過程を省略してしまったことが今回の製作の動機であります。

 使用したフィギュアは知る人ぞ知る「ドイツレベルの砲兵セット」より。
なぜか一目で判るほどの「プライザータッチ」の素晴らしい傑作です。
残念なことにビニール製ではありますが、そのあまりの出来の良さは捨て難いものがあります。かといっていちいち複製するのも面倒なので(たくさん買ってしまった)直接塗装に挑戦とあいなりました。師匠の「ミニスケモデラーの克服すべき問題」とは全く同意するところであります。
その1  実は私、フィギュアの塗装はエナメルなのですが、「ラッカーが塗れるなら、その上から塗れば良いじゃん」と安直な発想をしたわけです。
で、今回下地塗装に選んだのはモデラーズのレジン・メタル用スーパープラサフ。(画像ではグレーぽく見えますが、実際は白です)
別に普通のラッカー塗料やベースホワイトあたりでも大丈夫だと思いますが、ただ身近にあった奴をランナーで試したところ特に問題なかったのでそのまま使用しただけです(手抜き)。
状態としては、さすがに爪を立てて擦れば簡単に剥げてしまうものの、指の腹で擦った程度には耐えられるといったところでしょうか。まあ確かに現実問題としてベース上に固定されてしまえばそうそう剥がれる程の力が加わることもありませんし、塗装過程の取り回しに耐えられさえすればいいわけですから、これはリーズナブルな方法と納得。
 またフィギュアの片腕は一旦切り離し若干角度を変えて瞬着で接着し直してあります。同様にヘッドもプライザーの硬質プラ製のものと交換。
その2  肌の部分の下地塗装。
今回初めてファレホのアクリルカラーを使用してみました。今まではハンブロールを使ってましたが、このスケールでは「ブレンディング」するほどの面積もないことからエナメル・油彩の上塗りで下地が溶け出さないアクリルの方が都合が良いと考えました。

その3  肌のシャドウ塗装。
油彩のバーントシェンナとオレンジ(カドミウムオレンジ)の混合物をハンブロールシンナーで若干薄めて上塗り。大きなスケールならブレンディングしながら影の調子を付けるところですが、そんな面積もないので、車両のウォッシングに近い方法で仕上げます。
 ちなみにこの混合塗料(バーント&オレンジ)は私のお気に入りで、ライフルの銃床や車両の錆色なんかにも混合比とムラを変えて使用しています。
その4  続いて肌のハイライト塗装。
ハンブロールの肌色に白を混ぜて明るくしたものを溶剤で少し薄めて、光の当る部分(顔なら額・鼻の頭・頬・顎の先等)に乗せる感じで塗る。この「薄めた塗料を乗せる感じで塗る」というのはこの後の衣服の塗装でも使うブレンディングの代用として使う方法。文章では伝え難いのだが水彩画っぽい感じに仕上がる。
 ついでに頭髪部分の下塗りに濃い茶色を塗っておきます。
その5  頭髪の塗装。
下塗りの濃い茶の上に「金髪」色を塗る。と言っても金色を使う訳では無く、タミヤカラーのイエローグリーンを使いました。只のイエローでは派手すぎるので丁度いいかと。
で、この後ケガキ針で塗料を掻き削りながら髪の毛のテクスチャーを表現。
少々荒っぽい方法ですが、効果の程は最後の完成品画像にて。
その6  衣服の基本塗装。
ハンブロールのグリーン系の色ですが、名称不明です(笑)。(ハンブロールは例の缶が使い難いのでグンゼのスペアボトルに詰め替えている為。)まあこの後いろんな色が塗り重なっていくことになるので、あまり色調に神経質になる必要はないでしょう。
ハンブロールのつや消し具合と微妙な色合いは、実にフィギュアやウェザリング向きです。
その7  衣服のハイライト(その1)
光の当る部分に全体にわたってハイライト色をいれます。普通は基本色に白を混ぜてやや明度を上げたものを使うのですが、ここでは色調の変化を狙って白ではなくイエローを混ぜたものを使用しています。
(この辺の色の組合わせに関しては色々ありますが、キットの箱絵などを参考にするのも手です。)
ドイツ兵のフィールドグレイとしては緑すぎる感もありますが、カラーリングについては車両も含めて「模型的脚色」は必要と思っていますので気にしません(言い訳)。車両も同様「スケール効果」を考えると実物より少しカラフルぐらいが丁度良いと思っています。
その7  衣服のシャドウ。 影になる部分にシャドウ色を入れます。基本色に黒を混ぜたものを使っていますが、基本色が明るい色の場合は黒の変わりに青を使うこともあります。(特に白服の場合は青が効果的)
また今回は基本色が暗い色の為、ハイライト2段階・シャドウ1段階ですが、カーキ系の明るい色の場合は逆にハイライト1段階・シャドウ2段階としています。
また黒の塗料を出したついでにブーツやベルト類も塗装。
その7  衣服のハイライト(その2)
最後に来てピンぼけ画像で申し訳無いが、最も光が当る部分に、基本色に白を混ぜたものを入れる。
「最も光が当る部分」とは肩の部分と、今回の場合は座っているので太ももの上側部分など。
最後に各部モールド(肩章、ボタン、ベルトのバックルなど)に塗装部分があれば塗装して完成。
 今回塗装に関しては一応成功しましたが、ビニール製フィギュアの問題として「バリ取り」が挙げられます。ヤスリが使えない為、カッターのみで行いましたがもっと良い方法はないでしょうか?

手のひらジオラマの完成。
「見かけに寄らず頼りになる戦友にもたれ掛かりウトウトするドイツ兵」といったシーンのつもりなのですが…
 ちなみに私は「タイトル」は付けない主義です。
面倒臭いのとその類のセンスを持ち合わせてないのはもちろんですが(笑)、 基本的に私は車両が作りたくて模型をやっているだけで、特別他人に何かメッセージを伝えたくて模型を作っている訳ではないということと、タイトルをつけることで逆に見る人が受ける印象を限定してしまうことを避ける為です。
そういう意味では「死んでいるように」見えてしまっても構いませんし、「ただ疲れ果てているように」も、あるいは「何か想いに耽っているように」見えてもいいわけです。(なんか心理テストみたい)
 まあ簡単に言うと、その車両や大砲が「カッコ良く」「それらしく」見えるようなシーンが作りたいだけなので、個人的には「ボックスアート風」が理想だったりするのですが、なかなかこれが難しいものです。

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