●ネック折れ、塗装、その他調整 Gibson LesPaul STD DC Plus 2003
ネック折れ修理のご紹介です。ネック折れは、人為的に起ってしまうもので、角度つきのマホガニーネックに多く見られます。マホガニーは、軟らかい材のため硬いメイプル材と比較すると非常に折れやすいです。持ち運びの際など、弦を張ったままでもハードケースにしまっておけば倒しても大丈夫だと思われがちですが、弦の張力は何十キロもあるため、ハードケースでも弦をゆるめる事をお勧めします。また、折ってしまった場合は、早期修理をお勧めします。放置してしまうと折れた部分が湿気や乾燥などで変形してしまい、綺麗に接着できなくなると共に強度にも関係する恐れがあります。ネック折れは、ただ接着するだけの簡単な修理と思われる方もいると思いますが、実際は圧着する際の力のかけ具合など高度な技術が必要になります。また、折れ方、仕上げなどにより修理方法、修理金額が様々です。宮田工房では様々な角度からギターをチェックしてお見積りをたて、お客様に納得を頂いた上で作業を進めていきます。
今回は、ネック折れ接着、塗装、その他塗装のクラック修理をご紹介します。
初めに、折れた部分を開き接着面に木片や塗装の破片などが入っていないか慎重に調べていきます。接着は、慎重に行ないます。はじめに接着剤をつけない状態で圧着し、確実な方法を調べます。綺麗に折れていると塗装部分もわからなくなりますが、今回は接着部分が目立つ為少し潰し気味に塗装を致しました。
接着後、塗装を剥し塗装をします。
折れた部分を目立たなくしていき色を合わせて塗装をします。
打こんとクラックを消す作業に入ります。こちらは、タッチアップのみで作業をします。ちょっとした技でタッチアップのみで目立たなくできます。元の塗装が残っていて汚れなどが無ければ綺麗に仕上げられます。
ギブソンに良くあるロゴクラックを消す作業に入ります。こちらは、タッチアップでも可能ですが今回ペグ付近の塗装浮きも修正した為、ヘッドトップの塗装も致しました。また、綺麗に仕上げすぎるとギブソンらしくなくなる為クラックは消しますが適度に仕上げてあります。
弦を張り、数日チェックした上で完成になります。今回お預かりしたギターは、最近ギブソン社から出ているモデルで軽量で弾きやすく木目が綺麗なギターでした。