●弦アース処理、ナット交換、その他調整 Gibson LesPaul HeritageSTD80 1981
弦アース処理は、現行のエレクトリックギターは行なわれておりますが、今回お預かりしたギブソンのモデルは行なわれておりませんでした。70年代後半から80年代前半にかけて、ギブソンのノイズ対策は通常の弦アース処理を行なわずコントロールパーツを金属製のカバーで覆うかたちをとっています。ただ、弦アースの処理をしているものと比較した場合、ノイズのは明らかにわかりますので、この時期のモデルをお持ちの方はご確認いただき弦アース処理をお勧めいたします。
今回は、弦アース処理及び全体的な調整になします。
初めに、全体を慎重に細かく調べていきます。ネック調整及びナットの消耗がありましたので交換になります。
アース処理が行なわれておりません。
ジャックのシールドケースです。この頃、箱物のギターなどはポットにシールドケースがついていました。右の画像は、お預かりしたギターには装着されておりませんでしたが、同じ年代のシールドケースになります。
レスポールの場合、テイルピースのスタッドアンカーからアース処理を行ないます。アンカーを抜き穴を加工します。アンカーを抜く際、ボディトップの塗装剥れなど気をつけ慎重に作業を行います。アース線にはウエスタンエレクトリックの1960年代錫メッキ線、ハンダにヴィンテージのケスター44を使用しております。
ナットを外し溝を整え製作して交換します。
弦を張り、ナット溝、オクターブ、ネック調整を行い完成です。今回お預かりしたギターはレスポールヘリテイジ80になります。現在のモデルとはデザインが若干異なりますがこちらも人気があるモデルです。材も良く非常にバランスの取れたサウンドでした。