Final Update June 10, 1997

合奏練習の録音方法について

 演奏会の下合などで合奏練習をする場合の録音について注意点を記します。

 演奏会のための合奏練習は、せいぜい1度か2度程度のことが多く、自分が望むほどの

回数はできないことがほとんどです。したがって、筝、三絃や歌の細かいところを聞き取

るのはなかなか難しいことです。録音しておいて後で何度も聞き返して、尺八との合い口

がどうなっているかを研究することが必要になります。そして必要なことは楽譜にメモし

ましょう。

 合奏の練習を録音するとき、レコーダーを自分の横や前に置く人が多いですが、それは

適切ではありません。客席で聞いたときにどのように聞こえるかを録音できるのが理想で

す。つまり、レコーダーの置き場所は、すべての楽器がバランスよく入るようにする必要

があります。自分の横に置いてあると、自分の音だけが強く入るため、間違った音程をそ

のまま信じることにもなりかねません。また、自分の音が全体のバランスを考えたときに

適切かどうかも判断できなくまります。

 レコーダーは、できれば自動音量調整(Automatic Gain Control: AGCと略される)をOFF

にして、手動で音量調整をするようにしましょう。音楽には強弱があります。強弱は音楽

的表現の重要なパーツです。せっかくがんばってピアニシモで吹いている音が自動的に増

幅されたのでは、音楽的表現が壊れてしまいます。音量はマニュアル設定で、を心掛けま

しょう。

水野 香盟
2016年9月23日記

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