アフター・ウェディング
監督:スサンネ・ビア
出演:マッツ・ミケルセン、ロルフ・ラッセゴード、シセ・バベット・クヌッセン
時間:2h04
近所のミニシアターでみてきました。
観に行ったのが休日ということもあってか、それ相応に客が入っていました。
さて、内容に関してですが、この映画、なかなか良いですよ。
インドでストリートチルドレンを保護する孤児院を運営している主人公ヤコブのもとに、ある日、「孤児院に資金提供をする」という名目の手紙が届きます。
期待に胸を膨らませてデンマークに向かう主人公ですが、そこで出会った資金提供者のヨルゲンは孤児の保護といったボランティア活動には一切無関心。
にもかかわらず、彼はなぜかヤコブを娘の結婚式に招いたりして、ヤコブ個人との親交を深めたがります。資金提供者ということもあって、しぶしぶ結婚式に参加するヤコブですが、そこにはかつての自分の恋人がヨルゲンの妻として結婚式に参加していました。
しかも、結婚式後の二次会的なパーティーで、新婦であるヨルゲンの娘は、ヨルゲンの実の娘ではなく妻の連れ子であるということが発覚。目の前にいる花嫁は、間違いなく、自分の子供。
「資金提供」「かつての恋人との再会」「見たこともなかった自分の娘との突然の出会い」
あまりにも出来すぎている一連の流れに、ヤコブは不審の念を抱き、ヨルゲンとその妻を問い詰めます。するとそこには思いもよらない真実が…
大まかに書くとこんな感じのストーリーなんですが、やっぱり、何が良いって、主人公の資金提供者でありこの物語の核心を握る人物でもあるヨルゲンの存在ですね。
最初は、いかにも一代で財産を気づきあげたわがままな成金みたいなキャラクターで登場するんですが、物語が核心に迫れば迫るほど、この人物の本質的な部分がドンドンあらわになってきて、最終的には、ものすごく切実な、「死を目前にした人間の願い」がこの上なくたくみに描き出されます。
「自分が死ぬってわかったときに何を望むか」っていうのは、それこそ人それぞれによって違うとは思うんですが、私のような気ままな独り者ではなく、ちゃんと家族を持ってそれを大切にしている人にとっては、自分が死んだ後の家族の未来こそが最大の心配事になるのでしょう。
スサンネ・ビアという監督の作品ははじめてみましたが、人間の「心の揺らぎ」のようなモノを表現するのがものすごくうまい監督さんですね。
最近は、ストーリーの不自然な複雑さを前面に押し出した作品が多いので、この手の「感情」に重点を置いた作風の監督さんは貴重なかなか貴重です。スサンネ・ビア、今後、注目していきたい監督さんですね。