アイム・ノット・ゼア
監督:トッド・へインズ
出演:クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェット、マーカス・カール・フランクリン、リチャード・ギア、ヒース・レジャー
時間:2h16
近所のミニシアターで観てきました。
この映画、予告編がすごくよかったので個人的にはものすごく期待していたんですが、正直、期待はずれでしたね。
ストーリー的にはボブ・ディランの人生を六人の俳優さんを使って表現するというものなんですが、これ、なんか、物語の「軸」がつかめないというか、最初から最後まで終始フワフワしていて、ピリッとしたところがないんですよね。
わざわざ六人の俳優さんを使って一人の人物を描いたということ自体が、ボブ・ディランの多様性を表すための演出なのでしょうし、仮に、製作する側の意図として、ボブ・ディランという人物をとらえどころのない多面的な人物として現したいという意図があったのであれば、本作の全体的なつくりも製作側の意図にあっているといえるのかもしれませんが、観る側としては、これはちょっときついですね。
それぞれの俳優さんが演じる個々のエピソードが「エピソード1」「エピソード2」という仕方で一つ一つ別々に流されるのではなく、それぞれのエピソードを断片的にバラバラにしたものを再構成して一つの状態にしたものを見せ付けられるので、なんか、最後まで、「んッ?」「んッ?」と思ったまま、カチッとしたものがつかめませんでした。
たぶん、これ、ボブ・ディランに関してかなりの量の予備知識をあらかじめ持っている人であれば、相当楽しめるんじゃないかと思うんですよ。
でも、私のようにボブ・ディランについて何も知らない状態の人間が見ても、何もつかめないまま終わってしまいます。
これはあくまでも私個人の考え方なんですが、映画って、それを観る人に対して何らかの予備知識を要求しちゃいけないと思うんですよね…
例え、それが製作者側の意図とは違っていても、それを観た人が何らかの感想を抱いて「あぁ…」と思えるようなもの、そういうものが映画であると思うんですね。
ただ、最近は、どうも、観る側にある程度の予備知識を要求するような映画が多くて、ちょっと……
軽く不満なんですよねぇ…
本作も、その手の、観る側に予備知識を要求する作品の一つですね。
もしも、今後、私がボブ・ディランに興味を持って、彼に関する最低限の知識を身につけたらもう一度見返してもいいかなと思いますが、少なくとも、現段階では、「ケイト・ブランシェットが良かった」という程度の感想しかもてなかったですね。