赤い砂漠
監督:ミケランジェロ・アントニオーニ
出演:モニカ・ヴィッティ、リチャード・ハリス、カルロ・キオネッティ、リタ・ルノワール
時間:1h57

 何でも、日本での配給期限が今年(2007年)の三月で切れてしまうということで、近所のミニシアターが上映してくれました。
 地方都市に住んでいると、古い映画をスクリーンで見る機会はすごく少ないので、ミニシアターの皆様の御尽力に心から感謝いたします。
 さて、映画の内容についてですが、なんか、久しぶりに来ましたね、「わけわからん」ていうのが。
 日、中、米、英あたりの監督がつくる映画って、けっこう、どこから始まって何が起こってどこで終わるみたいなのがしっかりしてるじゃないですか。
 でも、それに対して、ヨーロッパの大陸系の監督が作る映画って、最近の作品はそうでもないですけど、一昔前の作品だったりすると、いつ始まって何が起こっていつ終わったのかがいまいちわからんみたいな作品があったりしますよね。
 今回のこの『赤い砂漠』も、映画マニア的な人たちにとってはどうかわかりませんが、私みたいに、「映画?たまに見るかな」ぐらいの人間にとっては、正直、「わけわからん」て感じですね。
 主人公の女性が「交通事故による神経症の女性」っていう役どころなんですけど、常に、キョドッてるんですよ。
 話してる内容に脈絡がなかったり、明るくしているかと思うと、急に怯えたり、そんな状態の女性のあり方が、手を変え品を変え場所を変え、延々と2時間映し出されます。
 「神経症という精神状態の世界観がこういうもので、それをありのままに描くことに成功しているから名作なんだ!!!!!」といわれてしまえばそれまでですが、やっぱり、見ているこっちとしては、「わけわからん」という感じですね。
 ていうか、仮に、「神経症という精神状態をありのままに描き出そうとしている」のであれば、下手にわかったようなことをいうよりも、むしろ、「わけわからん」という感想の方が正しいのかもしれません。
 普通の精神状態の人にとってはなかなか理解できないような精神状態の人を、ありのままに描こうという意図でこの作品が作られているのであれば、やはりそれを見た人が抱くべき一番正しい感想というのは、「わけわからん」なんだと思います。
 最後に、この映画のラストの方で、主人公の女性が語る言葉を引用して終わりたいと思います。きっと、この映画に関しては、感想をとやかく言うよりも、この一言が全てを表しているように思います。
“恐ろしい何かがあるのは確かなのに、誰もそれについて教えてくれない”

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