悪魔とダニエル・ジョンストン
監督:ジェフ・フォイヤージーグ
出演:ダニエル・ジョンストン、キャシー・マッカーティ、ジャド・フェア、ギビー・ヘインズ、マット・グローニング、ルイス・ブラック、ビル・ジョンストン、メイベル・ジョンストン、ディック・ジョンストン、マージ・ジョンストン、サリー・ジョンストン、ブライアン・ビーティ、デイヴ・ソーンベリー、ジェフ・タルタコフ、ローリー・アレン、スティーヴ・シェリー
時間:1h50

 近所のミニシアターでみてきました。
 よく「危ない人」とかいいますけど、現実問題、そこまで危ない人って身の回りにいないじゃないですか。
 もちろん、たまたま、そういう本当に危ない人と接点を持ってしまって、不幸な目にあってしまった人もいるとは思いますし、ごく普通の人が「危ない人」になり得るっていうことを考えると、ある意味では全ての人が危ない人なんでしょうけど、でも、私も含めて多くの人にとって「明らかに危ない人」が身の回りにいるかといわれたら、やっぱり、「どうかなぁ…?」と思いますよね。
 でも、本作『悪魔とダニエル・ジョンストン』の主人公ダニエル・ジョンストンは、本当に危ない人です。
 この映画、伝説のミュージシャンであるダニエル・ジョンストン(今も生きてます)という人物の記録を追ったドキュメンタリーなんですけど、こういう人が現実にいると思うとやっぱりちょっと怖いですね。
 結局、何が怖いって、このダニエル・ジョンストン、「自分や友人達が搭乗している小型セスナ機の鍵を飛行中に引っこ抜く」人なんですよ。
 たまたまこのときは、パイロット(ダニエル・ジョンストンの父親)の飛行技術が優れていたため、けが人だけで死者は出なかったのですが、それにしても、こういうことを平気でしてしまう人ってやっぱり自分の身の回りにはあんまりいて欲しくないじゃないですか。
 もともと精神的にあまり強い人じゃなかったようなんですが、それに加えてものすごく敬虔なキリスト教徒の家に生まれてしまい、成長過程でみうらじゅんや伊集院光が言うところのDTを思いっきりこじらせ、躁鬱病を患い、LSDを常用するという、なんだかもう、いろんなものを混ぜすぎて、「何味?」みたいな精神環境なんです。
 まぁ、普通に考えれば、躁鬱病やLSDが「危なさ」の最大の原因なんでしょうけど、映画を見ていて思うのは、DTをこじらせたっていうのが、結構、精神的なターニングポイントとして効いているような気がするんです。
 実際、ダニエル・ジョンストンの絵の中には、ものすごく理想化された初恋の人の姿が何度も描かれているんですね。
 成就するなら成就する、ふられるならふられるみたいなはっきりした決着がつかなかった恋心がドンドン変な方向に捻じ曲がっていって、最終的にそれが色々な要素と結合してものすごく「危ない人格」を形成してしまったんだと思います。
 劇中、このダニエル・ジョンストンはすごくイノセントで親しみのある人物のような描き方をされています。
 ただ、この人の本質の部分には、ものすごく入り組んでいるデンジャラスな精神構造があることを忘れてはいけないと思います。

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