あるいは裏切りという名の犬
監督:オリヴィエ・マルシャル
出演:ダニエル・オートゥイユ、ジェラール・ドパルデュー、アンドレ・デュソリエ、ヴァレリア・ゴリノ他
時間:1h50

 近所のミニシアターでみてきました。
 何となく、この映画、ミニシアターっぽくないですね。
 どっちかっていうと、大手のシネコンが大スクリーンで上映するタイプの映画のような気がします。
 実際、本作を上映するとき、私が行ったミニシアターはスクリーンをMAXサイズまで拡大して上映していましたが、それでもやはり、もっと大きなシネコンの大スクリーンで見たらさらに面白かっただろうなぁと思いましたね。
 内容的には、フランスの警察組織を舞台にした重厚な人間ドラマなのですが、ミステリーっぽい要素あり、アクションっぽい要素ありで、娯楽作品としてみてもものすごく完成度の高い作品です。
 なんていうんですかねぇ、フレンチハードボイルドとでもいうんでしょうか、オチャらけた雰囲気の一切ない「This is 硬派」な空気が作品全体に漂っています。
 登場する人々のキャラクター設定が平面的ではないので、一概に善玉悪玉に分けることもできないのですが、敢えて善玉悪玉という言葉を使うと、本作では、この善玉も悪玉も、両者ともにものすごくかっこよくて渋い俳優さんが演じていて、邦画でいうと、本当に、全員が全員「高倉健」のたたずまいです。
 眉間には常に皺がきざまれ、声のトーンも低いです。
 何をどう間違ったとしても、絶対に「でんがな!!!!!」とか「まんがな!!!!!」といったフレーズは絶対に出てこない。そういう雰囲気です。
 勤め人としての出世欲、警察官としてのプライド、人間としての怒り。
 本作に登場するキャラクターはみんな、そういった重〜い感情によって突き動かされています。
 映画全体の緊張感が高いので、「見所」っていうのをみつけるのも大変なのですが、敢えていうならば、やはり、強盗団のアジトにフランス警察のチームが踏みこむ場面でしょうか。
 ここで、一人の警官が命令に従わずに単独行動を取るのですが、このときの緊張感とその後のスピード感は秀逸ですね。
 映画を見ていてハラハラドキドキすることって案外少ないんですけど、このシーンは心臓がバクバクいってました。
 この映画、題材的に、同じストーリーをロバート・デニーロやアル・パチーノなんかがやっても面白いでしょうねぇ…
 むかし、雰囲気が本作に似ていてデニーロとアル・パチーノが競演した『ヒート』っていう作品がありましたが、あれはつまらなかったです。
 でも、この映画のシナリオでこの二人が競演したら間違いないと思います。
 とにかく、かなり面白い作品でした。
 お勧めできる一本ですね。

Official Site

Home