ある結婚の風景
監督:イングマール・ベルイマン
出演:リヴ・ウルマン、エルランド・ヨセフソン、ビビ・アンデルセン、ヤン・マルムチョ
時間:2h48
スウェーデンの映画監督、イングマール・ベルイマンが20年ぶり(!!)に、新作映画『サラバンド』を製作したということを受けて、近所のミニシアターが同じベルイマンの『ある結婚の風景』を上映してくれました。
近所のミニシアターのみなさんの努力に心から感謝いたします。
と、言いたいところなんですが、ちょっと、今回はこの近所のミニシアター、やっちまいましたね。
そもそも、ベルイマン最新作の『サラバンド』は、本作『ある結婚の風景』の続編に当たる作品なんですが、このミニシアター、こともあろうに、『ある結婚の風景』の本編が始まる前に『サラバンド』の予告編を流しちゃったんですよ。
離婚後、30年ぶりに再開した二人…
予告編が流れるスクリーンに思いっきり太字で表示されます。
あっ、この夫婦、わかれるんだ…
落ちが丸わかり…
私はこの『ある結婚の風景』を何の予備知識もなく観に行ったので、いきなり結論を言われてしまって、ちょっとテンション落ちましたね。
それから、これは、映画の内容とは全く関係ないんですけど、たまたま私が入場した回は客の質が悪かったみたいで、映画の上映中ちょっとイラッとくることが何度かありましたね。
ミニシアターですから、ただでさえ狭いのに、私の後ろの席に座った変なおばさんが、映画のはじめから終わりまでずっと何かを「ポリポリポリポリ」食べてるんです。
御存知の方もいらっしゃるとは思いますが、『ある結婚の風景』って、2時間44分あるんですよ。
その間中、ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっと、「ポリポリポリポリ」食べてましたからね。
「お前、どんだけ食うんだよ…」、しかも、「お前、そのお菓子、どんだけ、量、持ってんだよ…」と、心の底からイラつきましたね。
映画館で殺意を覚えたのは久しぶりです。
しかも、この日はそれだけじゃなくて、映画の途中でいきなり携帯電話に出て、映画館の扉をあけて外にでて、そこで大声で喋っている親父がいたりして、なんか、客の質が悪かったですね。
さて、肝心の映画の内容のほうなんですが、この文章の最初の方で言ったとおり、ある夫婦の離婚の話です。
もっと正確に言うと、10年間何の問題もなく幸せに連れ添った夫婦が、夫の浮気が原因で、喧嘩、離婚し、その後お互いに別々の人物との再婚に到るまでを描いた映画です。
で、私、恥ずかしながら、ベルイマンの作品を見るのは今回がはじめてだったのですが、本作は、かなり独特な作りになっています。
手を変え、品を変え、場所を変えながらも、劇中行われていることは、基本的にはず〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっっと一組の夫婦の会話です。
しかも、顔や身体をかなりアップで取っているシーンが多いので、背景のセットすらろくに映ってないときも多々あります。
こんなふうに、延々と会話だけを続ける作品て、私ははじめてみました。
映画を見ているっていうよりもどっちかっていうと、何かの舞台劇を見ているような、そんな印象が強かったですね。
話の内容はといえば、やっぱり夫婦の離婚の話ですから、基本的にはそれっぽい会話ばかりです。
あなたとのセックスはどうたらこうたら、お前といると息苦しいのがどうたらこうたら、その女って誰なのうんぬんかんぬん、といったことがメインです。
ただ、時々、劇中の登場人物のキレるポイントがよくわかんないときがあります。
夫のヨハンという人物が職場の同僚に「あなたは、才能がないから、詩を書くのはやめた方がいい…」的なことをいわれる場面があるんですけど、この台詞を言われた後、このヨハンがいきなりキレるんです。
でも、見ている側としては(こう思うのは私だけかもしれませんが…)、「そこってキレるポイントなの?」とちょっと首を傾げてしまうところもありました。
それから、登場人物(全部で5人ほどなんですが…)が、どれを取っても全員ルックスが「62点」だったのもちょっと気になりましたね。
別に、絶世の美女をつれて来いとはいいませんけど、やっぱり映画ですから、スクリーンに映る人達は基本的には美男美女の方が私は好きなんです。
特に、こういう、恋愛ものの場合はなおさらですけど…
やっぱり、そういう、現実世界にはちょっといないような綺麗どころの男女が恋愛しているっていうのが、なんか、映画を見ている満足感というか、そういうものに私の場合はつながっているんですよね。
ですから、本作は、何となく、見ていて、いま一つだなぁという感じが否めませんでしたね。
対話を延々と繰り返して、そこを一つ一つじっくりと見ていくというのは、なんだかプラトンの対話篇を読んでいるようで、それはそれで、ひとつの味わいとして面白かったんですけど、なんか、やっぱり、内容的なものがいまいち私にはなじみませんでした。
一般的には、名作と呼ばれている作品らしいんですけど……、まぁ、相性の問題でしょう。
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