イカとクジラ
監督:ノア・バームバック
出演:ジェフ・ダニエルズ、ローラ・リニー、ジェス・アイゼンバーグ、オーウェン・クライン
時間:81分
近所のミニシアターで見てきました。
このミニシアターでは本作『イカとクジラ』の予告編が結構前から頻繁に流れていたので、多分、ミニシアター的には「推している」作品だったんだと思います。
でも、個人的にいまいち乗り切れない作品でした。
作品を形容する言葉の中に「ウディ・アレン的」という言葉があったので、似た様な作風なのかと思っていたのですが、ちょっと違いますね。
ウディ・アレンの場合、シリアスな作品であっても根底の部分にある種の明るさを感じるのですが、この『イカとクジラ』にはその明るさがありません。
作品の中に登場する台詞も、突き詰めていくと登場人物それぞれの愚痴ですし、観ていてなんだかギスギスした精神状態になりました。
もちろん、監督が見た人の心の中にそういった「ギスギス感」を生じさせようとしたのであれば、監督の意図は見事に成功しているわけですが、それでもなおかつ、ちょっとねぇ…
あくまで、個人的な考え方ですが、やっぱり、映画を見た後にはある種の満腹感というか、心の中が満たされる感じが欲しいんです。
その満たされる感じが悲しみで満たされようが、怒りで満たされようが、それはそれでいいんですが、本作の場合は、みればみるほど心の中がドンドン貧しくなっていくような感じでした。
アメリカって世界一離婚率が高い国らしいですけど、アメリカの離婚した夫婦ってやっぱりこの映画に描かれているような考え方の人たちなんでしょうか?
もちろん、この映画の中に描かれている夫婦は「もと作家の大学講師」と「気鋭の新人作家」という組み合わせですから、使われている言葉は一般に人と比べると色々とインテリ臭い要素が混ざっているのかもしれませんが、根底の部分にある発想というか、人間性というか、そういうものは他の離婚した夫婦にも共通しているんでしょうか?
もしそうだとしたら、日本で離婚している人たちの考え方とアメリカで離婚している人たちの考え方って結構違うような気がします。
離婚どころか結婚したこともないので、言う権利はないのでしょうが、日本の場合、夫婦二人のあり方がうまくいかないから離婚するっていう考え方だと思うんです。でも、この映画に出てくる夫婦の場合、お互いに「自分」が上手くいかないから離婚しているように見えます。
保つべきものが「夫婦」なのか「自分」なのか、その辺がちょっと日本の場合と違うのかなぁ…
映画を観ていてそんなことを思いました。