俺たちフィギュアスケーター
監督:ウィル・スペック、ジュショ・ゴードン
出演:ウィル・フェレル、ジョン・ヘダー、ウィル・アーネット、エイミー・ポーラー、クレイグ・T・ネルソン
時間:1h33

 近所のミニシアターでみてきました。
 私が普段通っているミニシアターの現場担当支配人の方が、こういったアメリカ系バカコメディーが好きなようで、このミニシアターの前ではかなり前から本作『俺たちフィギュアスケーター』のポスターがデカデカと貼られ、予告編もバンバン放映されていました。
 個人的にはこの手のアメリカ系バカ映画って、あんまり観ないんですけど、今回はそんな宣伝にほだされてチョロッと観てみました。
 以前、『ほぼ日刊イトイ新聞』でみうらじゅんがアメリカのコメディー映画を「バカ映画」と「おバカ映画」の二種類に分けていましたが、本作はみうらじゅん的規準でいえば明らかに「バカ映画」の部類に入りますね。
 みうらじゅんの理論では、「おバカ映画」の「お」は「オシャレ」の「お」であって、『オースティンパワーズ』などの映画がこの部類に入るそうです。
 そして、この「みうらじゅん理論」に『俺たちフィギュアスケーター』を照らし合わせてみると、これは完全に「バカ映画」ですね。
 全編を通じて、「オシャレ」の部分は一切ありませんし、「笑わせよう」という意思に特化したつくりになっています。
 もちろん、笑いのツボは日本とアメリカという括り以前に個々人によっても違いますから、この映画に組み込まれている、いわゆる、「ここがおもしろいでしょうポイント」に逐一ハマってきっちり笑えるかっていうことになると微妙なものがあります。
 それでも、「オシャレ」にうつつをぬかしている『オースティンパワーズ』なんかと比べたら、「バカ」に特化したこっちの映画の方が圧倒的におもしろいですね。
 ていうか、この映画、かなりおもしろいですよ。
 オリンピックのメダル贈呈式で二人同時金メダルに輝いたにもかかわらず、仲が悪くてその場で小競り合いを演じてしまい、金メダルを剥奪されると同時に男子シングル界から永久追放されてしまった二人のライバル選手、チャズとジミーは、再起をかけて、互いに手をとり史上初の男子ペアでオリンピックのペア種目に挑戦する。
 大まかに書くとこんな感じのストーリーなんですが、この手のひねりの無いバカな映画に思いっきり予算をかけられるっていうところにアメリカのすごさを感じますね。
 具体的に言うと、この映画の最初と最後は試合のシーンなんですが、この試合のシーンにものすごくお金がかかってるんですよ。
 そして、この短い試合のシーンにガッツリ金をかけてしっかり作りこんでいるからこそ、特訓シーンと試合のシーンにメリハリがついて全体の完成度が上がるんですよね。
 もしも、これと同じ映画を日本で作ったら、予算をあまりかけられないからオープニングの試合のシーンと特訓後の試合のシーンがしょぼくなってしまって、特訓と試合のメリハリが無くなり、最終的な完成度が大きく損なわれると思うんですよ。
 実際、日本の「スポ根系バカ映画」でこの映画ぐらい大規模な試合のシーンをもってこれた映画って無いですよね。
 ウッチャンナンチャンの内村光良が監督した『ピーナッツ』にしろ、周防正行監督の『シコふんじゃった。』にしろ、それほど大規模なシーンって用意されてないですよね。
 まぁ、これら二つの映画が「バカ映画」かって言われたら、ちょっと違うと思いますけど、それでも、映画全体のメリハリっていうことを考えたら、「金を使うべきところにもっとつかえたら…」っていう部分はありますよね。
 以前、岡田斗司夫がGyaoで「映画はアメリカの国策産業だ」といっていましたが、こういう「バカ映画」みたいな作品であっても「金をかけるべきところにはかけられる」っていうあたりに、映画を取り巻くアメリカと日本の環境の差が伺えますよね。

補足…もちろん、映画以外の分野ではアメリカよりも日本のほうが恵まれている場合もあります。この点に関してもGyaoで放送している『岡田斗司夫の一人夜話』のアーカイブを見て下さい。興味深い見解を聞くことができます。

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