雨月物語
監督:溝口健二
出演:田中絹代、京マチ子、水戸光子、森雅之 他
時間:1h37
近所のミニシアターが企画した3週ぶち抜き企画「溝口健二特集」のなかで上映された一本です。
映画の冒頭にドーンとアップで映し出される銀色の獅子の像が表しているように、ヴェネチア国際映画祭の外国映画部門でグランプリを取った作品だそうです。
確か、あれですよね、本作と同じように古典に題材を取った(まぁ、古典ていっても芥川ですけど…)黒沢明の『羅生門』がグランプリでしたよね。
やっぱり、こういう、日本の古い時代をモチーフにした作品が海外では評価されやすいのでしょうか?
本作は、タイトルが示すとおり原作は『雨月物語』ですけど、映画の脚本は映画用に作られたオリジナルらしいです。
もともとの『雨月物語』は怪異小説というか、幻想的な雰囲気の強い作品ですが、この映画は後半こそそういった怪奇幻想的な雰囲気が強くなりますけど、前半部分はかなり現実的な、人間の欲望むき出し的な描写が続きます。
侍になって立身出世することを夢見るおっさんと、自作の陶磁器を売って大もうけを企むおっさん、この二人の家庭を振り向かない欲望ギラギラさ加減が、映画の前半部分では炸裂しています。
同じ溝口健二の『西鶴一代女』を見たときも思ったのですが、溝口健二作品って「欲に目がくらんだ男」と「その男に翻弄される女」っていう関係が対になる感じで出てきますよね。
溝口健二の作品って、あんまり見たことないんですけど、この男女の対象関係って溝口が追い求めたモチーフ的なものなんでしょうか?
どうなんでしょう?
何となく、溝口健二の視線には、男性のあり方に対する批判的な精神と、女性のあり方に対する慈しみが感じられます。
最近の映画だと、女性の嫌な面なんかも如実に描かれていたりしますけど、溝口映画の女性はある種の「聖性」をもって描かれています。
まだまだ、溝口初心者なのですが、今後、この監督の作品を見るときには、この男女の対比関係に着目してみてみたいと思います。
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