ヴィットリオ広場のオーケストラ
監督:アゴスティーノ・フェッレンテ
出演:ウシーヌ・アター、ペッペ・ダルジェンチオ、オマール・ロペス・ヴァレ、ジョン・マイダ、カルロス・パス
時間:1h30
近所のミニシアターでみてきました。
この映画、予告編がものすごくよかったのでかなり期待していたんですが、本編を観てみたら正直ガッカリでしたね。
イタリアのローマ市内で移民街になっているヴィットリオ広場周辺地区。そこにたたずむアポロ劇場という一軒の劇場が閉鎖されることを知ったドキュメンタリー作家のアゴスティーノとミュージシャンのマリオは、劇場存続のため移民たちを集めて多国籍オーケストラを結成することを思いつき、実行に移すが…
大まかに書くとこんな感じのストーリーなんですが、なんか、この映画、全体的にグダグダです。
多国籍オーケストラの結成はじめから、実際に結成して一つのオーケストラとしてコンサートを開くまで、およそ五年の歳月がかかっていて、本作はその五年間に渡る記録を編集したドキュメンタリー映画なんですが、最初から最後まで、終始、緩〜い感じなんですよね。
この多国籍オーケストラ、なんだかんだ言っても、急いでかき集めた即席メンバーの寄せ集めですから、当然、出身国の文化の相違に基づく音楽観の違いや、インド出身者同士でのカーストの違いに基づく対立などが勃発して、なかなかまとまりません。
それでも最後には一つのオーケストラとしてまとまっていって、最終的にはそれなりの演奏をみせるんですが、この最後の演奏がどうもいまひとつ……
結局、まとまりきれていないというか、それほどのクオリティには至ってないんですよね。
以前、『ライトニング・イン・ア・ボトル』という映画を観たんですね。
ものすごく完成度の高い、とてつもない迫力の音楽ドキュメンタリーだったんですが、それと比べると、本作のあり方ってどうなのかなぁ…、という感じなんです。
もちろん、『ライトニング・イン・ア・ボトル』はアメリカで超実力はとして認知されているプロ中のプロが集まって作りこんだコンサートを記録した映画ですから、素人集団の多国籍オーケストラの記録映画と比べちゃいけないんですが、それでもなおかつ、このクオリティはどうなんだろうと思いますね。
結局、製作者の自己満足の範囲内にで完結している映画のように思えてしまうんです。
確かに、この映画の意義っていうのは音楽的なクオリティよりも、多国籍の移民たちが結集して一つの劇場を救うため一体化しているさまをみせるっていうことに重点が置かれています。それはわかっています。
しかし、だからといって、う〜ん……、この完成度で映画………
これ、映画じゃなくて、テレビで見たかったですね。
時間も1時間30分じゃなくて、もっと長い2時間でもいいです。
テレビのドキュメンタリー作品としてこの作品を観ていたら、私はかなり食い入るように観ていたと思うんです。
ただ、映画にしてしまうと……
この作品のネット上の評価を読んでみるとそれほど悪くないみたいですけど、個人的にははまらなかった映画ですね。