バッド・エデュケーション
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ペドロ・アルモドバル、フェレ・マルチネス、ガエル・ガルシア・ベルナル
時間:1h45
映画でも本でも何でもそうですけど、ある程度見たり読んだりした量が溜まってくると、自分の中で勝手に順位とかつけたくなるじゃないですか。
しかも勝手に分類とかもしたりして、「この分野だったら1位はアレだよねぇ〜」などと適当なことを考えるじゃないですか。
私の中で、「恋愛映画」の分野でNO.1を獲得している作品は『トーク・トゥ・ハー』なんですが、本作はその『トーク・トゥ・ハー』と同じペドロ・アルモドバルが監督をした作品です。
アルモドバル監督の作品を最初に見たのは確か、『キカ』だったと思うんですが、そのときは「たいしておもしろくねぇなぁ〜」という感じでした。
でも、『オール・アバウト・マイ・マザー』『トーク・トゥ・ハー』などを見ているうちにすっかりはまってしまいました。
今では、かなり好きな監督さんの一人です。
そんなわけで、この『バッドエデュケーション』も公開当時、かなり期待しながら近所のミニシアターに観に行きました。
客の入りは多くもなく少なくもなく、マズマズといった具合だったのですが、映画のできは、見終わった後、思わずその場で「う〜〜〜〜〜ん」と唸りたくなるほどすばらしかったです。
ものすごく細部まで神経が細かく行き届いていて、完成度の高さは感動ものです。
内容は基本的にはサスペンスなんですが、そこに描かれる人間模様の濃さが生半可ではありません。
偽善に満ちたスペインの神学校で起きた過ちが発端となって、十数年の時を経た後に男と男の愛と欲望と人生がドロドロに交錯して行くというもので、冒頭から最後まで105分間全編に渡ってものすご〜く濃〜い映画です。
でも、、「濃い」とはいってもただ単にドロドロと濃いのではなく、『トーク・トゥ・ハー』で見せたあの欲望と愛のぎりぎりの際を描くという繊細なテーマ性は本作にも生きているので、そういった意味ではものすごく繊細な映画ということもできますね。
ただ、でも、やっぱり、他の作品を見てもそうなんですが、ペドロ・アルモドバルってあんまり万人受けする作品を作る人ではないですし、本作もどうしてもそのテーマ上、男同士であんなことやこんなことをしているかなり官能的なそのものずばりなシーンもたくさんあるので、そういった表面的な濃厚さにかき消されてしまって、世間一般では、この映画の芯の部分が持っている繊細なテーマ性は見過ごされがちになってしまっているように思いますね。
ですから、この映画に関しては、世間の評判とかオフィシャルサイトとかを見て簡単に「ホモ映画か……」と片付けてしまって、食わず嫌いを決め込むのではなく、必ず自分の目で一度実物を見てもらいたいです。
脚本やストーリー、場面展開の巧みさなどはもちろんのこと、画面に映る色彩の一つ一つ、衣装一着一着の美しさにいたるまで、本当に神経の行き届いた素晴らしい映画だということがわかるはずです!!!!!
映画公開時にミニシアターの前に張ってあったポスターなんかを見ると、この映画、アルモドバル監督の半自伝的な作品らしいんですが、これが自伝的な作品だったとしたら、アルモドバルの人生の濃さは生半可ではないです。