ハメット
監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:フレデリック・フォレスト、ピーター・ボイル
時間:1h35
一時期、ヴェンダースにはまっていた頃があって、そのときに他のDVDと一緒にまとめて買ったなかの一枚です。
もちろん、ヴェンダースは今も好きで、時々、購入したDVDを見返したりしているのですが、本作は内容的にはなかなかおもしろかったものの、なぜか、一度見たあとはそのまんま未開封になっています。
普通、買ったやつは少なくても2回ぐらいは見るんですけどね。
良作だったという印象を持ちながら、二回目に手が伸びないのはなぜなんでしょう…
さて、本作『ハメット』はハードボイルド系の探偵ものなんですが、ヴェンダースとハードボイルドってなんとなく結びつきにくいと思いませんか?
もちろん、監督さんの作風に対する印象は個々人によって違いますから、ヴェンダースとハードボイルドとの間にうまいことイコール関係を作れないというのも、私個人の感想に過ぎないんですが、でも、やっぱり、ヴェンダースっていつもいい意味でボンヤリした優しさを持った映画を作るので、そのボンヤリした優しさ加減とハードボイルドっていう言葉で連想するイメージが頭の中で一致しづらいんですよね。
なんかこう、ハードボイルドっていうとハンフリー・ボガードあたりがパッと思いつくんですが、ボガード的なものとヴェンダース的なものがどうも相容れないというか、なんとなくベクトルが逆の方向を向いている感じがするんです。
実際、本作の雰囲気もゴリゴリのハードボイルドというよりは、ハードボイルド的な雰囲気に淡い紗がかかったような、独特の空気感をかもし出しています(あっ、本作は映像自体にセピア調の加工が施されていますが、ここで言う空気感っていうのはそれとは別のはなしですよ。あくまでも体感的な感覚という意味での空気感です)。
この空気感を「ヴェンダースの色が失われていない」という仕方で肯定的にみるのか、それとも、「相性が悪いものあわせてしまった」と否定的にみるのかはその人の好みだと思いますが、私個人としては見終わった後に「わるくない」という感想を持ちました。
でも、パッケージやネットなどに書かれている「ハードボイルド」っていう宣伝文句を信じて、そっち系の作品を期待した人にとっては思いっきり肩透かしになる可能性もありますね。
見る人によって大きく評価が分かれる。そんな感じの映画だと思います。
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