はなればなれに
監督:ジャン=リュック・ゴダール
出演:アンナ・カリーナ、サミー・フレイ、クロード・ブラッスール
時間:1h36
今住んでいるところの近所には美術館があるのですが、この美術館、地下がシアターになっていて時々古い映画などを上映してくれるんです。
今回は、いつも行っている近所のミニシアターの人たちが中心となって二日間で合計7本のレトロな映画を上映してくれました。
地方都市に住んでいると、古い映画をスクリーンで見るっていう機会はめったにありませんから、いつもながら、近所のミニシアターの方々のご尽力には心から感謝いたします。
そんなわけで、今回、その7本の中の一本である『はなればなれに』を見る機会を得たわけですが、この作品、ゴダールですよね。
ゴダールの作品って、これまで何本かみているんですが、正直、あんまり愛称がよくないんですよね。
独特の雰囲気を持っていますから、その雰囲気それ自体は「すごくいいなぁ〜」と思いますし、映画を見ているときは、その雰囲気にドップリ使って漂う感じで見ているんですが、「じゃあ、ゴダールの作品がおもしろいか?」と聞かれたらちょっと微妙なんですよね。
実際、私はゴダールの作品のDVDを一枚も持っていませんし、今後も、かなりお金に余裕があるなら話しは別ですが、ごく普通の生活状態であるならば、ゴダールのDVDを買う予定はないです。
『気狂いピエロ』や『勝手にしやがれ』といった有名どころの作品や、個人的にちょっといい感じかなぁと思った『中国女』『女と男がいる舗道』『小さな兵隊』などはレンタルショップで借りて見終わった後にアマゾンで買ってもいいかなぁとは思ったんですが、結局、買わずじまいでした。
個人的な話ですが、このDVDを買うか買わないかというところに、ヴェンダースとゴダールに対する私の好みの違いが如実に表れているような気がします。
同じ題材をヴェンダースが監督していたら、間違いなく買ってると思います。
実際、今回の作品も、見てるときは、まぁ、おもしろかったですし、こういう作品もあるんだろうなぁ、という感じがしました。
二人の男が、英会話教室で出あった金持ちの女の子をだまして、その娘の家にある「脱税した金」を奪って高飛びしようと企て、その計画を実行に移すが…
ていうかんじのストーリーなんですが、ゴダールの場合、映画のストーリーそれ自体はそれほど重要じゃないんですよね。
本作にも途中にどうでもいいようなミュージカル風のダンスのシーンや、ルーブル美術館を9分で駆け抜けたりするシーン、音と映像が思いっきりずれているシーン、ゴダール自身の語りなど、本筋とは関係のないシーンがふんだんに挿入されています。
この本筋とは関係のない部分のちりばめ方を楽しめるか楽しめないかでゴダールが好きかそうではないかが決まるような気がします。
私は、嫌いではないんですけど、好きでもないんですよね。
なんか、あいまいな立場で逃げてるような感じですけど、本当にそんな感じなんですよ。
「雰囲気には浸れるけど、おもしろくはない」みたいな、そんな感じです。
この作品、DVDが購入できるみたいですけど、多分、私は、他のゴダール作品同様買わないと思います。
でも、この手の作品が持っている雰囲気は、現在作られている映画では絶対に味わえない雰囲気ですから、本作に限らず、ゴダールの作品をみたことのない方はぜひ一度見てみたほうがいいと思います。